自動車メーカーのマツダは、次世代バイオディーゼル燃料を活用した脱炭素社会の実現に向け、企業や官公庁の関係者に理解を深めてもらおうと、燃料の供給事業者らと連携した新しい取り組みを発表しました。

会見には、マツダ、いすず、平野石油、ユーグレナの4社が出席し、次世代バイオディーゼル燃料を商業レベルで活用するために必要な各社の取り組みについて発表しました。

使用済の食用油などを原料とした次世代バイオディーゼル燃料の「HVO」は、軽油と同じように使用することができ、従来の化石燃料から置き換えることでCO2排出量を低減する効果が期待されています。

しかし、国内では燃料価格が軽油の3倍程度と割高で、普及が進まないという課題があります。

そこで、マツダなど4社はバイオディーゼルエンジンの開発を進め、企業や官公庁の車やバスなどの商用車から需要を拡大させ、さらに、次世代バイオディーゼル燃料の低価格化を実現させることで社会全体での普及を図ろうと考えています。

【マツダ・小島岳二専務】
「(次世代バイオディーゼル)燃料を使ってもらって流通量を増やしてサプライチェーンを作ってコストを下げていく。その後に一般ユーザーにもしっかり提供していく」

《スタジオ》
脱炭素社会という言葉は、当面キーポイントになってくるかなと思いますけれども。なかなか割高っていうところが弱点、どうしていくかが課題ですね。

【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
社会的にはかなり期待されている燃料であることは間違いないんですけども、サプライチェーンを作ってコストを下げていくことを社会的に実験して行かないとなかなか難しいんですね。地産地消がエネルギーとしてできるといろんなメリットがあるので、どうやってまずは使える状態にして行くのかと。特に大型車とかEVに取って代わられないようなところから中心にやって実績を作って、バリューチェーンを作って。最終的には政策的な後押し、電気に比べると後押しが少ないんで、政策的にも後押しをしてもらいたいっていうのが、今回の取り組みではないかと思います。

--このエネルギーの地産地消、使用済みの食用油などを原料とするところが大きなポイントでしょうか。

【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
ある種、地域で循環をしていけるという意味で言うと、外部に依存しない、地域の中で循環できるというところに一つの特徴があるエネルギーになります。

--今回はバイオ燃料を使った車の試乗会も行われたということですけれど、乗り心地は普通の軽油を使用した場合と何ら変わらないということでした。

テレビ新広島
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