地域の「漁業」を盛り上げたいとある活動に取り組んでいる大分県大分市のご夫婦に注目しました。
大分市の漁師、太田貞登さんと妻のみやこさんです。8月のこの日も午前5時、漁のポイントに向け出港です。
◆太田貞登さん
「毎回楽しみでもあって不安でもあって。網漁は想定外というのが本当に あるから(網を)あげるまで分からない」
全国的に漁業者の数は減り続けています。県内を見ると50年前の1975年にはおよそ1万3000人いましたが、2023年には2500人あまりとおよそ5分の1に減少し後継者不足が長年の課題となっています。
こうした背景もあり、52歳の貞登さんは神崎漁協に所属する正組合員の漁師11人中、最年少です。
以前は大分市内で配管工事業を営んでいましたが、およそ20年前、元々興味があった漁師の世界に飛び込みました。
建網漁という、海中の魚の通り道に網を仕掛けて捕まえる方法で主にカワハギやオコゼなどを獲り出荷しています。
◆太田貞登さん
「やりがい。やっぱり魚を獲って 市場に出して美味しかったという声を聞くとやっぱりうれしい」
◆みやこさん
「楽しい。(網漁で)何があがってくるか分からないし」
船の上で力を合わせて漁を行う2人。
特に変わったところはないように見えますが、太田さん夫婦にはほかの漁師にはない別の顔がありました。それは…
動画を撮影して配信するユーチューバーとしても活動しているんです。
コロナ禍だった2021年。当時、飲食店の時短営業の影響などで魚がほとんど売れなくなってしまいました。そんな時に、なんとか魚の消費拡大につながればと始めたのが動画の配信でした。
(Q大変ですね。漁をやりながら)
◆太田貞登さん
「やっぱり楽しいからやってるんでしょうね」
◆みやこさん
「(夫は)妥協が嫌なのか、めちゃくちゃこだわって(編集)する」
なかなか見ることができない漁師のありのままの姿を映した映像と、夫婦の飾らない会話。
そして、みやこさんの明るいキャラクターが人気となり、チャンネル登録者数は現在3万人超え。テロップの動かし方など細部までこだわりぬいた動画は再生回数が58万回を超えるものもあります。
◆漁師仲間
「うーん性格やね。性格が明るくていいですよ」
◆漁師仲間
「YouTubeで結構みんな面白い面白いって言ってる。もう人気者。ははは。」
地域でも人気者の2人。配信を続ける背景には高齢化が進む中で、漁師の仕事に興味を持つ人が増えればという願いも込められています。
◆みやこさん
「漁師は怖そうとか近寄りがたい とか思われがちだがそういうことはないよというのを」
◆太田貞登さん
「こんな面白い漁師がいるとそういう配信をしています」
◆みやこさん
「それでな(動画を見た人が)漁師になりたいと言ってうまく道筋がつけば私たちは嬉しい」
“ユーチューバー漁師”太田さんご夫妻はこれからも大分市神崎から、県内の漁業を盛り上げます
◆太田さんご夫婦
「それではご視聴!ありがとうございました!」
◆みやこさん
「合わんなぁ」
◆太田貞登さん
「合っちょったっちゃ」