発生からわずか8時間後に鹿児島県へ上陸した異例の動きを見せた台風12号。
午前9時に熱帯低気圧に変わりましたが、各地に大きな爪痕を残しました。

横殴りの強い風が吹き荒れ、道路には大粒の雨が打ち付けています。

21日に台風12号が九州に上陸した直後の鹿児島市内の様子では、激しい雨の影響で道路は冠水し、行き交う車は水しぶきを上げながら慎重に走っていました。

ゆっくりした速度で九州を横断した台風12号。

影響は夜も…。

鹿児島・南さつま市では大雨の影響で河川が増水し道路にあふれ一面、泥水に覆われました。

氾濫した加世田川の周辺では約1メートルの高さまで浸水。
歩いている男性の太もも付近まで水で浸かっています。

住民は今回の台風について「もうあっという間、1時間かかったかな。川も氾濫して初めてのことで」と話します。

南さつま市では24時間雨量が8月では1位となる315mmを観測するなど記録的な大雨となりました。

一夜明けても雨は降り続き、鹿児島・南九州市では午前中にもかかわらず車はヘッドライトをつけて走っていました。

排水溝からも勢いよく雨水があふれています。

川では水位が大きく上昇。
南さつま市や南九州市を流れる万之瀬川では一時、警戒レベル4相当の氾濫危険情報が発表されました。

大雨の影響で浸水被害を受けた店は床が泥だらけに。

店の人は急に水位が上がったと話します。

浸水被害を受けた店の人:
いつもチェックはしてるんですけど、急に上がってきましたよね。急に流れてもうびっくりでした。

道路には泥だらけになり動けなくなった車も。
車の持ち主によると台風が上陸した時間帯に一気に浸水したといいます。

軽トラが浸水した人:
最初はだいたい荷台の半分ぐらい。この半分の高さぐらいだったが、結局どんどん水位が上がってきてここの上に立っててこれはだめかなと。ずっとあっちの方まで歩いて行って、水のないところまで。

男性が避難した時にはすでに腰の高さまで水が上がっていたといいます。

そして、周辺の家にも大量の泥水が。

60年住んでいる女性:
(水が)上がってて私は出られなくて、消防の人に背負ってもらって出た。いつもですからね水害、そこがきれたらここつかるのは。だけどこんなにはひどくなかったです、今まで。

鹿児島市や南さつま市などでは午後4時現在も土砂災害警戒情報が発表されていて、引き続き警戒が必要です。

南さつま市を流れる加世田川が一時氾濫。

床下浸水した家が複数発生し8人が救助されました。

そのうち女性1人が低体温症の症状がみられたことから搬送されたということです。

台風12号は午前9時に熱帯低気圧に変わりましたが、九州南部では湿った空気の影響で大気の不安定な状態が続くため警戒が必要です。

鹿児島テレビ
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