富山県の県立高校再編計画において、検討が進められてきた「大規模校」について、「県内に1校」設置し、その場所を富山市内の県有地とする方針が明らかになりました。この決定は県総合教育会議で発表されたもので、今後の富山県の教育環境に大きな変化をもたらすことになります。

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再編計画の全体像

県教育委員会は「新時代とやまハイスクール構想」の素案を発表し、2038年までに完了する高校再編の青写真を示しました。この構想では、新設や再編統合を通じて整備される県立高校20校の全体像が明らかにされています。

計画によると、県内の高校は以下のように分類されます:

  • **大規模校**: 1校(1学年12クラス、480人規模)

  • **中規模校**: 東部に9校、西部に6校(1学年4~7クラス規模)

  • **小規模校**: 東部に2校、西部に2校(1学年3クラス以下)

大規模校の設置場所と特徴

大規模校は富山市内の県有地に新たに建設される方針です。設置場所の選定においては、県全域からの通学を考慮し、公共交通機関の利便性が高い場所が検討されています。

教育内容については、多様な科目の選択履修が可能となり、さまざまな考え方に触れることで協働力や社会参画能力の向上を目指します。また、スポーツ、音楽、映像、アニメなどの専門的な学びの機会も提供される予定です。

教育委員からの見解

坪池宏県教育委員は「生徒は高校選択の際に自分の高校生活をイメージしながら選択することになる。主体的に判断することが求められる」と述べ、生徒の自主性を重視する姿勢を示しました。

一方、黒田卓県教育委員は「県内の各学校がこれまで培ってきた伝統や文化をいかに継承していくか、良いものは継承していくべき。さらに発展させると考えると、どうやるのか非常に難しい問題」と、伝統の継承と発展のバランスについての課題を指摘しています。

今後のスケジュール

再編計画は段階的に進められ、まず2028年までに中規模校の設置が進められます。そして2038年までに計画されている20校全ての開校を目指すとしています。

この再編計画は、少子化が進む中での教育資源の効率的な活用と、これからの時代に必要とされる教育内容の提供を両立させる狙いがあると考えられます。

富山テレビ
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