いま、大ヒット中の映画「国宝」。その撮影地が関西に集中していて、多くの人でにぎわっている。
例年1日40~50人の来館者が700人に急増した「出石永楽館」や聖地マップを作成した滋賀県の取り組みなど、「聖地巡礼」に沸く、関西の各地を取材した。

■多い日で700人が訪れるという「出石永楽館」
兵庫県豊岡市にある近畿地方で最古の芝居小屋「出石永楽館(いずしえいらくかん)」。
記者リポート:平日の昼間ですが、建物の外には行列が出来ています。
来館者は例年だと1日40~50人という中、今、多い日はなんと700人ほどの人が訪れているというのだ。
来館者:映画の『国宝』です!
来館者:『国宝』の踊りのね!
ことし6月に公開されて以来、空前の大ヒットとなっている映画『国宝』。
歌舞伎の世界を舞台に、人間国宝に登り詰めるまでの半生を描いた作品で、観客動員数677万人、興行収入95億円超えを記録している。(8月12日時点)
豊岡市の出石永楽館では、映画で実際に使われた小道具やセットを特別に展示中。
舞台では何やら藤の花を持つ人たちがいた。
ここは主演の吉沢亮さん演じる喜久雄と横浜流星さん演じる俊介が「二人藤娘」を披露した場所で、実際に「藤の持ち枝」を借りて歌舞伎のポーズをとる体験ができるのだ。

■実際に吉沢亮さんが化粧をしていた鏡の前では
そして、目玉となっているのが、映画で2人が使っていた「楽屋」を再現した場所だ。
実際に吉沢亮さんが化粧をしていた鏡の前では、熱演する親子も。
息子:お父さんちょっと来て!
息子:幕上がるいうたら震え止まらんねん…。
父親:芸があるやないか。
来館者:映画の世界に入り込める一番の手段ですね。
来館者:このシーンのところやと思ったら涙が出てきそう。

■周辺の店からも嬉しい悲鳴
そしてこの盛り上がりには周辺の店からも嬉しい悲鳴が!
出石(いずし)の名産、「皿そば」の店には、大勢のお客さんが来ていた。
「出石皿そば山下」 山下晋一さん:ありがたいです。1日でも長く上映していただけたらありがたいですけど。
まさに「国宝」ブームが到来するのは豊岡だけにとどまらない。

■「国宝」のロケ地の多くが関西に
実は、「国宝」のロケ地は、多くが関西にある。
その一つが、渡辺謙さんが『連獅子(れんじし)』を舞うシーン。
京都五花街の一つ、上七軒歌舞練場が使われている。

■喜久雄が「悪魔と契約する」シーンで使われていた神社も
その横にある神社は…。
記者リポート:願い事をするこの場所、どこのシーンで使われてたか分かりますか?
ここは、喜久雄が「悪魔と契約する」シーンで使われている。

■先斗町歌舞練場 映画では『浪花座』と名前を変えて登場
さらに先斗町歌舞練場は、映画では『浪花座』と名前を変えて登場している。
稽古場などが多くのシーンで使われ「聖地巡礼」を楽しむ人の姿があった。
ロケ地を訪れた人:ああここか、あのシーンだなってなります。
ロケ地を訪れた人:同じ場所の酸素吸ってるんだと思うと興奮しました。

■「劇場」として登場した「びわ湖大津館」では「国宝」押し!
そして、この「国宝」ブームの波に乗ろうとPRに力を入れる自治体も。
大津市の「びわ湖大津館」は劇場ではありませんが、東京の「歌舞伎座」と外観がよく似ていることから、映画の中では「劇場」として登場した。
施設内はまさに「国宝」押し!
滋賀県観光振興局滋賀ロケーションオフィスの有田高志さんに案内してもらった。
有田高志さん:ネタバレになるのであまり詳しくは言わないんですけれども、主人公の吉沢亮さんがこの柱に激しく触れるというシーンが出てきます。
記者:激しく?
有田高志さん:激しく!
詳しくは映画を見てほしい!とのこと。

■滋賀県は県内の「聖地」をまとめたマップを配布
滋賀県は県内の「聖地」をまとめたマップを配布し、これが大好評だという。
有田高志さん:非常に反響が大きいので、増版をさせていただいております。もうどしどしロケ聖地の滋賀に皆さんお越しください。
映画をきっかけに高まる地域活性化への期待の声。
あなたも「聖地巡礼」してみてはいかが?
(関西テレビ「newsランナー」 2025年8月14日放送)
