激しい勢いで流れる茶色く濁った水。
濁流は住宅地にも入り込み、住民はロープにつかまりながら移動しています。

パキスタン北西部で8月14日から降り続いた雨で、土砂崩れや鉄砲水が相次いで発生。
これまでに300人以上が死亡しました。

住民は「鉄砲水が来て、家の中にも水が入り込みました。多くの車が流されました」「まるで世界の終わりのようでした。ここに50年以上住んでいますが、こんなにひどい洪水は初めてです」と話しました。

被災地に支援物資を運んでいたヘリコプターが悪天候により墜落し、乗っていた5人が死亡する事故も起きました。

被害が拡大した山岳地域では、行方が分からなくなった人たちの捜索活動が続けられています。

しかし、土砂崩れなどにより幹線道路が寸断され、捜索は難航しているということです。

豪雨被害は隣国インドでも発生。

インド北西部で撮影された映像に映っていたのは、腰の辺りまで水に浸かった状態で道路を歩く人たち。

14日、直轄地としているジャム・カシミールの山間部の村で大規模な洪水が発生しました。

ジャム・カシミール連邦直轄領 オマル・アブドゥッラー首相は「多くのけが人が出ている。60人の遺体が見つかり、まだ多くの人が行方不明になっている」と話しました。

この村はヒンズー教の巡礼ルートにあり、巡礼者のために設置された共同の調理場が土砂で流されるなどして、少なくとも61人が死亡。

また、18日にはジャム・カシミールの別の地域でも土砂災害が発生し、子供5人を含む少なくとも7人が死亡したということです。