停戦は実現するのか。
注目の米ロ首脳会談を前に、ウクライナ国旗やボードを掲げる人々。

会談が行われるアメリカ・アラスカ州の最大都市アンカレジで行われたロシアのプーチン大統領を非難するデモです。

数百人が参加し、「戦争犯罪者をアラスカに入れるな」などと声を上げました。

アラスカは160年ほど前、アメリカが当時のロシア帝国から720万ドル、現在の日本円で200億円余りで購入した土地。
そうした背景もあり、アラスカにはロシア系住民も多く、アンカレジにはロシア正教会の建物などがあるほか、スーパーにはロシアやウクライナのお菓子が並んでいました。

一方、ロシアによる侵攻開始後、ウクライナから1000人を超える避難者がいるといいます。

弟がウクライナ軍に参加していたというアーツさんは、今回の首脳会談に疑問を投げかけます。

アーツさん:
良いアイデアではないと思う。実際ウクライナにとって何が良いかを決めることは誰にもできません。

プーチン大統領がウクライナに侵攻を始めたのは2022年2月のこと。
名目は「ウクライナの非ナチ化」や「NATO(北大西洋条約機構)の拡大阻止」です。

ウクライナの東部や南部を中心に侵攻。
こうした動きに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は徹底抗戦を訴え、アメリカやEU諸国を中心に支援を呼びかけました。

これに応じた各国は、ロシアに対する大規模な制裁やウクライナへの軍事支援を開始。

しかし、侵攻開始から3年余りが過ぎた今、ウクライナの国土は約2割がロシアの支配下となっています。

こうした中、アメリカの大統領選挙中、トランプ氏は繰り返し「私なら24時間以内に(ロシアとウクライナの)戦争を終わらせることができる」と発言していました。

そして就任後の2025年2月にはゼレンスキー大統領と首脳会談を行いましたが、前代未聞の、ののしり合いに。
停戦が遠のいたとの見方が広がりました。

しかし7月、トランプ氏はロシアに対し「50日以内に(停戦)合意が得られない場合、非常に厳しい関税を課す方針だ。約100%の2次関税だ」と述べました。

それから1カ月後の日本時間の16日未明、トランプ氏とプーチン氏の会談が行われます。

ウクライナ侵攻終結の行方に関わる重要な会談ですが、トランプ氏側は「私たちはウクライナのために(領土の)一部を取り戻そうとしている」と発言。
さらに、失敗に終わる可能性が「25%ある」と示唆したのです。

3年以上続くウクライナとの戦闘について、ロシア国内では「ごく普通の期待ですね。私たちとアメリカの関係が正常化することを願います」「兄弟の争いのような戦争が早く終わってほしい。ウクライナ人もロシア人も望んでいません」などの声が聞かれました。