戦時中、高知から中国に赴いた兵士がかわいがっていたヒョウの物語をご存知ですか。平和の尊さを伝える、絵本の原画展が高知市で行われています。
オーテピア5階の高知みらい科学館に展示されているヒョウの剥製、絵本の主人公・ハチです。会場には松成真理子さんが描いた、絵本「ヒョウのハチ」の原画18点が展示されています。
今から84年前、日中戦争のさ中、中国に出征していた高知出身の兵士・成岡正久さんが赤ちゃんヒョウと出合い、部隊のみんなでかわいがりながら育てます。その後、「ハチ」は東京の上野動物園に送られますが、戦況の悪化で「戦時猛獣処分」の対象となり、毒殺されてしまいます。
ハチの剥製は、成岡さんが譲り受けたのちに展示されることになりました。
ハチの像を建てる会 幹事・川村貞夫さん:
「戦争で出合ったヒョウを、戦争のために殺していくという形にならざるをえなかった。戦争の悲惨さを伝えたいし、平和の尊さを伝えていきたいし、命の大切さを伝えていきたい」
こう語るのは、ハチの像を建てる会の幹事・川村貞夫さんです。戦後80年の2025年、ハチの物語を後世に伝えるため、ハチと成岡さんの像が建てられることになりました。像が建てられるのは、オーテピアから数十メートル離れた場所です。
鍛治屋明香アナウンサー:
「こちら、おまち多目的広場のわきに設置されます。南向きということで、写真を撮ろうとすると後ろの追手前高校の時計台が映るんです」
像は、桂浜のシェイクハンド龍馬像を手掛けた大野良一さんと吉岡郷継さんが制作。制作費は、クラウドファンディングなどで募りました。
ハチと成岡さんの像は、8月17日に除幕式が行われます。絵本の原画展は8月21日までです。
*絵本「ヒョウのハチ」(小学館刊)は、文/門田隆将さん、絵/松成真理子さんが制作しています。