動物と触れ合う機会も増える夏休み。
気を付けなければいけないのが「マダニ感染症」。
観光スポット、奈良公園で野生のシカの体をよく見てみると首元や耳の下など、少なくとも4匹のマダニを確認しました。
お目当てのシカに多くのマダニが規制していることに観光客は、「ちょっと触るのちゅうちょします」「びっくりしました。何も思わずだいぶ(シカに)触ったので」と驚きを隠せない様子。
ウイルスを持つマダニに刺されることで発症するSFTS・重症熱性血小板減少症候群。
2025年の感染者数は8月3日までに124人に上り、過去最悪のペースで増えています。
高熱や嘔吐のほか、出血などの症状があり、厚生労働省によると致死率は最大30%。
現在有効なワクチンはありません。
さらに感染症のほか、肉が食べられなくなる“肉アレルギー”を発症するケースもあります。
ダニに詳しい専門家の国立環境研究所・五箇公一特命研究員によりますと、マダニにかまれるとその唾液に含まれる「アルファガル」に対する抗体が体内で作られます。
この抗体が牛肉や豚肉などにも含まれるアルファガルと反応することで発症。
じんましんや嘔吐のほか、命に危険が及ぶアナフィラキシーを起こす場合もあるといいます。
どんな場所にマダニが多く生息しているのでしょうか?
取材班は、専門家と山に入り、マダニを捕獲する道具マダニホイホイを使用。
すると、肉眼ではよく見えませんが、顕微鏡でのぞいてみるとマダニが確認できました。
次に向かったのは、子供用の遊具がある公園。
遊具の近くの茂みでマダニを探してみると、この公園でもマダニが確認できました。
子供が遊ぶ場所に潜むマダニの危険。
モリ環境衛生センター・森重樹社長:
当然山にはマダニと野生動物、獣がいます。その獣が公園の中までマダニをつけた状態で持ってきてしまう。
里山が減少するなどして、野生動物が人の住むエリアに頻発に出没。
この野生動物が多くのマダニを運び、人への被害が増えているということで注意が必要です。