家の中に潜んで人間を刺すダニは3種類。ネズミに寄生するイエダニ、スズメやムクドリなどの鳥類に寄生するトリサシダニ、ほこりの中にいる小さなダニの体液を吸うツメダニだ。家の中には人間を刺さないダニ(コナダニやヒョウヒダニ)もいるが、これらも人畜無害とはいえない。なぜなら死骸や脱皮した抜け殻や糞を吸い込むとアレルギー性鼻炎や喘息の発作の原因となることがあるからだ。

ではダニが家に潜んでいる疑いがある場合、どうすれば駆除できるのだろう?害虫駆除の専門家で、ダニの生態にも詳しい足立雅也さん(808シティ代表)に、自分でできるダニの駆除法を解説してもらった。

■家にダニがいる可能性を知る方法は前編

ダニが好む環境と嫌う環境

まず、すべてのダニにいえることですが、ダニの繁殖を防ぐにはダニが好みそうな状況を家の中につくらないことが重要なポイントとなります。ほとんどのダニは高温多湿の環境を好みます。そのため、常に窓を閉め切っている部屋、掃除をめったにしないほこりだらけの部屋、布団を年中敷きっぱなしにしている部屋、畳の部屋などがダニに好まれやすいと思っていいでしょう。

実は青々とした新しい畳のほうがダニの好みだという(画像はイメージ)
実は青々とした新しい畳のほうがダニの好みだという(画像はイメージ)
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畳はフローリングの床と違って湿気を含んでいるため、ダニの温床になりやすいのは皆さんご存知だと思いますが、じつは意外なことに古い畳よりもむしろ青々とした新しい畳のほうをダニは好みます。これは新しい畳の方が水分(湿気)を多く含んでいるからです。またじゅうたん(カーペット)もダニの温床とされていますが、化学繊維で織られたものは、ウール製のものと違って水に濡れてもすぐに乾き、湿度が安定しないため、ダニには好まれないようです。