学歴詐称問題に揺れる静岡県伊東市の田久保眞紀 市長が8月13日、市議会の百条委員会に出頭しました。ただ、真相の解明にはほど遠い結果となっています。

13日午前10時過ぎ。

百条委員会からの請求を受け証人尋問に応じた田久保市長。

焦点となったのはやはり、議長などにチラ見せしたとされる疑惑の“卒業証書”です。

田久保市長をめぐっては、百条委員会から二度にわたり“卒業証書”とされる資料を提出するよう求められましたが、いずれも自己に不利益な供述を強要されない権利を理由に拒否しました。

このため、委員からは改めて提出を拒む理由について繰り返し問われますが…。

伊東市・田久保眞紀 市長:
委員会に示した回答書の通り

伊東市・田久保眞紀 市長:
回答書として先に示した通り

伊東市・田久保眞紀 市長:
文書で2回ほど提出している。そちらを見てほしい

一方、百条委員会によるこれまでの調査では7月、田久保市長の知人が「本人から大学を卒業していないと聞いた」と証言しています。

田久保市長の知人(7月29日):
大学の友達とは仲が良かったので、卒業はしなかったし卒業式は出ていないのに卒業はしていないけれど、飲み会には朝まで参加したとの発言を聞いた

このため、委員からは卒業の認識について問う質問も相次ぎます。

伊東市議会百条委員会・杉本一彦 委員:
東洋大学法学部を卒業していたと認識していたか否か、イエスかノーで答えてください

伊東市・田久保眞紀 市長:
除籍である、つまり卒業していないという事実を知ったのは6月28日

伊東市・田久保眞紀 市長:
私が除籍である事実を知ったのは、つまり卒業していないという事実を知ったのは6月28日に大学へ訪れた時

伊東市・田久保眞紀 市長:
重ねてになるが、卒業できていないという事実を知ったのは6月28日。それ以前に私がそのような話をすことはない

しかし、田久保市長はこれまでと同じ主張を崩すことはなく、さらに質問と答えがかみ合わない場面や証言を拒否する場面も散見されました。

伊東市・田久保眞紀 市長:
事実関係でしっかりと証明できないことは今回は差し控えたい

伊東市・田久保眞紀 市長:
答えは差し控えたい

伊東市・田久保眞紀 市長:
回答をこの場では差し控えさせてもらう


このように13日に新たに判明した事実はほとんどなく、証人尋問は事実上の「ゼロ回答」となりましたが、田久保市長は質問された内容に答えたと認識していると胸を張りました。

伊東市・田久保眞紀 市長:
百条委員会での回答は非常に重いものと受け止めている。万が一にも事実と違う答えをした場合には委員長から説明があった通り罰則もある。そういった中で、質問されたことに対してきちんと自分の中で事実関係で責任持って答えられることを回答したと考えている

これに対して議会側は怒り心頭です。

伊東市議会・中島弘道 議長:
誠実さはなかった。しっかりと真実を語っているとは思えなかった。論点を少しずらしたり法律の解釈を少しずらしたりという感じの発言だった

伊東市議会・青木敬博 副議長:
誠実さの欠片もない。とにかく卒業したと思っていたということを言いたくないと感じた。その先のことを考えているような回答だった

百条委員会は次回報告書をまとめる予定で、その後、田久保市長が記録提出を拒否したことについて刑事告発に踏み切る方針です。

テレビ静岡
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