AI(人工知能)を使った検索サービスを提供するアメリカのスタートアップ企業「パープレキシティ」が、グーグルのウェブ閲覧ソフト「クローム」の買収を提案したことが分かりました。
パープレキシティは12日、グーグルに対し、約345億ドル、日本円で約5兆1000億円で、ウェブ閲覧ソフト「クローム」の買収を提案したと明らかにしました。
パープレキシティは、ユーザーの質問に対し生成AIが情報源を明示しながら対話形式で回答するサービスを提供するスタートアップ企業です。
パープレキシティは、「この買収は、開かれたインターネット環境と利用者の選択権、そしてクロームユーザーの継続的な利用への重要なコミットメントとなります」とコメントしています。
アメリカメディアによりますと、評価額は180億ドル、日本円で2兆6600億円と推定されていて、クロームの買収提案は、企業価値よりも買収提示額が上回る異例の提案となっています。
一方、グーグル側は、クロームの売却に否定的な姿勢を示しています。
グーグルの検索サービスをめぐっては、アメリカ連邦地裁が2024年8月、スマートフォンなどの初期設定の契約が、日本の独占禁止法にあたる反トラスト法違反と認定していて、司法省はクロームの売却や検索データの提供を求めています。
裁判所は、8月中にもグーグル側に是正措置を命じるとみられ、その中で事業売却が迫られるかが焦点となっています。