上杉謙信の愛刀として知られる『山鳥毛』。過去にこの刀の購入を目指し、当時の所有者と交渉したものの金銭面で折り合いがつかず購入を断念した新潟県上越市。その山鳥毛の特別展示が8月13日、上越市で始まるのを前に12日、内覧会が開かれました。

12日、上越市の歴史博物館で報道陣が注目していたのは戦国武将・上杉謙信が愛用していたと伝えられる国宝の『太刀無銘一文字』、通称『山鳥毛』です。

華やかで美しい刀紋が山鳥の羽毛に似ていることからその名がつけられた山鳥毛。今回、上杉謙信のふるさとである上越市で初めて一般公開されることになりました。

一方で…

【謙信公祭 青柳伸一 実行委員長】
「過去に山鳥毛を購入しようとしたが断念せざるを得ない、そういう背景があった」

この刀をめぐっては、もともと岡山県に住む男性が所有していましたが、2016年に上越市に売却の意向を示すと、上越市も総額7350万円に上る寄付金を集めたほか、市議会の承認を得るなどしながら所有者と交渉を進め、購入を目指していました。

しかし…

【上越市教育委員会 野澤朗 教育長(当時)】
「国宝の太刀の購入を断念することとした」

3億円を上限とする上越市と5億円を望む所有者との間で、金銭面で折り合いが合わず購入を断念。

その後、岡山県瀬戸内市が刀を購入する方針を示し、現在は瀬戸内市内にある博物館で保管されています。こうした中…

【謙信公祭 青柳伸一 実行委員長】
「第100回を記念して、ぜひ展示してほしいという要望を受けて、今回の展示ということになった」

上越市内で毎年開催されている謙信公祭が今年で100回の節目を迎えるにあたり、市民から刀の展示を熱望する声があがったことで上越市などが瀬戸内市と交渉。承諾を得て、待望の展示にこぎつけました。

期待値は高く、一般公開前にも関わらず用意された3000組分の前売り観覧チケットはすべて完売したということです。

【謙信公祭 青柳伸一 実行委員長】
「上越市に限らず、広いところから興味のある方に見ていただければ」

【上越市 中川幹太 市長】
「こんなに素晴らしい紋様の刀を私は見たことがない。たくさんの方に、この刀を見てもらいたいと考えている」

山鳥毛は上越市で8月13日から8月24日まで特別展示されます。

NST新潟総合テレビ
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