一度は閉店した三重県桑名市の老舗鉄板焼き店が、3代目の女性店主によって復活しました。昭和の面影を残す店内で、名物のねぎ焼きをはじめとした昔ながらの味を守り続けています。

「八百勇」3代目店主の鈴木江里さん
「八百勇」3代目店主の鈴木江里さん
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■名物は昔ながらのお好み焼き…伝統の味を守り続ける3代目

三重県桑名市の「八百勇」は、どこか懐かしさを感じさせる鉄板焼き店です。

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具材を生地に混ぜて焼き上げる“昔ながらのお好み焼き”は、ソースの香ばしい香りが食欲をそそります。

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客:
「昔ならではの雰囲気。子どもたちの記憶に残ってほしい店と味」

別の客:
「20歳ぐらいの時から来ている。安くておいしい」

切り盛りするのは3代目の鈴木江里さん(60)。店では、キッチンではなく客席の小さな鉄板で焼く昔ながらのスタイルが今も続いています。

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江里さん:
「(今は)こういう昔ながらの店が珍しくて、気に入ってくれる。それだけでもやりがい」

■「他の店では絶対食べられない味」…看板メニューは「八百勇ねぎ焼き」

午前11時30分、開店と同時に常連客が次々とやってきます。店の一番人気は「八百勇ねぎ焼き」(500円)です。

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客:
「やっぱり八百勇は“ねぎ焼き”」

別の客:
「家庭の味というか、やさしい味。他の店では絶対食べられない味」

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長年愛され続けるねぎ焼きは、香ばしい醤油とねぎの香りが食欲をそそります。

■90歳まで店を切り盛りした2代目の伯母の味を守る

3代目の江里さん:
「(店は)おばあさんの代から。私はこの間まで生きていた伯母の姪っ子です」

八百勇を長年切り盛りしてきたのは、江里さんの伯母・天野鈴子さんです。

客:
「下町の人って感じ、店にいるだけで安心感のある人」

江里さん:
「話好きな伯母だったので、お客さんから“クラブ八百勇”と呼ばれていました」

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もう一人、八百勇を支えていたのが、江里さんの母・弘子さんです。美容師をしていた弘子さんは、引退後に姉・鈴子さんを手伝っていました。

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今は手伝ってはいませんが、常連客と話すためにふらっとお店に立ち寄ることもあります。

■惜しまれつつ閉店から復活へ…そして3代目の新たな挑戦

先代・鈴子さんの病気が理由で、2020年に八百勇は一度閉店しました。

客:
「閉店して近隣住民はとても残念がった。3年ほど前に彼女が一念発起して(お店を)再開したいと」

江里さん:
「『(お店)やったらいいのに』と色んな人から言われて。みんなが(再開を)待っていてくれたので、やらなきゃって」

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再開を望む周りの声に押され江里さんは、常連さんに助けてもらいながら2023年春にお店を復活させました。

江里さんの母・弘子さん:
「(再開は)うれしかったですよ。昔のお客さんが喜んでくれまして『八百勇復活した~』って」

先代の味を守りながら、江里さんは新メニューも考案しました。冬限定のおでんからヒントを得て作った「牛すじ焼きそば」(800円)です。

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客:
「牛すじ焼きそばが、一番おいしい」

別の客:
「ピリ辛で、ねぎのシャキシャキ感と牛すじの脂が絶妙」

「伯母は90歳までお店をやったので、私も80歳までは絶対にやりたい」と話す江里さん。昔ながらの味と伝統を胸に、江里さんはこれからも鉄板の前に立ち続けます。

東海テレビ
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