京都駅から北へ車で約40分。
山間に位置する「貴船」は、加茂川の源流の一つである「貴船川」が流れ、暑い夏でも市内より約“5度”低い涼しさが魅力です。
俳優の大東駿介さんが「発見!てくてく学」で訪れた貴船の魅力を紹介します。
■「きぶね」と「きふね」の違いは「水神様」にあり
木々に囲まれた石畳の参道を歩く大東さん。
緑のトンネルのような景観に感動します。
【大東駿介さん】「いや~川の音が気持ちいいですね~。今回は京都・貴船です」
貴船と書いて「きぶね」と読むこの地名ですが、貴船神社は「きふね」と読みます。
一体なぜなのか、大東さんも首をひねります。
【大東駿介さん】「町は貴船、神社は貴船。なぜですか?」
「水の神様」がヒントだそうですが…答えられない大東さん。
正解は「水は濁らない方がいいから」だそうです。
【大東駿介さん】「うわ、悔しい。悔しいな。そういうことか」
■「水の神様」を祀る神社の美しい景観を守る“秘密”
飛鳥時代にはすでに存在していたという「貴船神社」は、1300年以上の歴史を持ち、全国に約2000社ある水神を祀る神社の総本宮で、実は「絵馬」発祥の地なんです。
大東さんは緑豊かな参道の美しさに感動します。
【大東駿介さん】「この緑と石畳とのバランス、もう本当に緑の屋根のようになってて。この真っ赤な朱色の灯篭が絶妙ですよね。本当に綺麗。植物が生き生きしてる」
水の神様を祀っていることから、水に浮かべると運勢が見える「水占い」という粋なおもくじもありました。
■貴船神社の玉砂利が大きい理由は
この美しい景観には、ある秘密がありました。貴船神社の権禰宜(ごんねぎ)の稲川昌孝さんが、参道の石に注目するよう促します。
【稲川さん】「神社に行かれると玉砂利、小さい石がたくさんあると思うんですけど、うちはかなりでかいです」
元々は小さかったのを、わざわざ大きな石に変えたのはいったいなぜでしょうか。
歩きやすさで言えば小さな石が良いはずですが…
【大東駿介さん】「水はけ?大雨が降った時に、砂利が大きいと、そのままちゃんと浸透して流れていくんじゃないですか?」
【稲川さん】「大正解です」
2018年の台風21号で貴船地域は大規模な倒木被害に見舞われました。
その時、山の木々の根が弱っていることが判明。
小さな砂利だと参拝客に踏まれることで地面が固くなり、水が浸透しにくくなるのです。
貴船神社では玉砂利を大きな石に変え、瓦や藁、落ち葉を敷き詰めた層も作ることで水はけを良くする工夫をしました。
その結果、わずか3年で木々は生き生きとした緑を取り戻したのです。
【大東駿介さん】「神社を守るということと、土地を守るということ、この土を守るということはイコールですね」
■お守りなのに“QRコード” 令和ならではの”音守”に驚き
貴船神社には令和時代ならではのユニークなお守りもありました。それが「音守(おまもり)」です。
【稲川さん】「これは中にQRコードが書いてあって」
QRコードを読み込むと、貴船神社で実際に聞こえる川のせせらぎや自然の音が流れてきます。大東さんも驚きの表情です。
【大東駿介さん】「これ、まさか貴船に流れる水音ですか?」
【稲川さん】「そうです。貴船の川の水の音」
神社を離れても、いつでもスマホで貴船の自然の音を感じられるという新しい発想のお守りです。
【大東駿介さん】「デジタルやけど、改めて再発見できる素晴らしいアイデアです」
■夏の風物詩に変化!カジュアルに楽しむ最新川床
貴船と言えば夏の風物詩「川床料理」。
大正時代、夏の暑さをしのぐためにお茶屋さんが川に椅子を出したのが始まりと言われています。
【大東駿介さん】「びっくりした。僕、川床初めて見たかもしれないです。これとんでもないな。もう最高やん」
通常の川床料理は予約が必要で、コース料理を仲居さんが提供するスタイル。値段も1万円以上するのが一般的です。
しかし最近、新しいスタイルの川床が登場しました。
大東さんが訪れたのは「左源太(さげんた)」。
1962年創業の老舗店がおととし、生まれ変わった川床カフェです。
セルフサービス方式を導入し予約なしでふらっと立ち寄れ、自分で料理を運ぶスタイルになりました。
■貴船最上流で楽しむ絶景川床カフェ
「左源太」は貴船で営業している店舗の中で最も上流に位置しています。そのため、ここでしか見られない絶景が広がります。
【大東駿介さん】「素敵やな、最高やなこれ!」
カフェスタイルに変更した理由は、10年ほど前から貴船がパワースポットとして注目され始め、若者や外国人観光客が増加したものの、気軽に立ち寄れる場所がなかったからだと言います。
大東さんが「鮎レモン寿司」と「鮎から揚げそうめん」をいただきます。
【大東駿介さん】「外から中から爽やか。たまらんな、ほんまに」
大東さんは川に足をつけてそうめんを楽しみました。
【大東駿介さん】「この世のそうめんの食べ方で一番美味しいんちゃうこれ。こんな幸せな時間あっていいの?」
真夏でも温度は25度ほど。川の湿度を帯びた柔らかい風が心地よく、大東さんも絶賛です。
【大東駿介さん】「本当に世界に誇る景観。これがより良い形で素敵な形で自然とともにお客さんも楽しんでいけるような環境がずっと残ればいいな」
京都の奥座敷・貴船。水の神様を祀る神社と、進化し続ける川床文化。
自然と人間の調和を大切にするこの地を訪れてみてはいかがでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2025年7月31日放送)