韓国で今、社会問題となっているのが、冠水した街で猫が泳ぐ様子を映した動画や水に飛び込む女性。
韓国の国家遺産として知られるソウルの人気観光地「景福宮(キョンボックン)」の動画では、黄色いレインコートを着た男性の横でアザラシが泳いでいます。
これらは全てAIが作ったフェイク動画。
さらに、こんなフェイクニュースも。
実際には生存している芸能人の映像を無許可で使い、嘘の訃報として伝えていました。
中には、日本でも大ヒットしたドラマ「冬のソナタ」でチェ・ジウさんの母親役を演じた大物俳優の嘘の訃報も投稿されていました。
韓国で問題となっているフェイク問題。
6月に行われた大統領選のさなかにも、おりの中に入れられた尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を、李在明(イ・ジェミョン)大統領が笑いものにする映像など、フェイク動画がSNSなどで急速に広がりました。
こうした事態に、李在明大統領は「フェイクニュースでお金を稼ぐことがあまりにも多いが、フェイクニュースをばらまくYouTuberたちをどうするか法務省は検討するように。一番いいのは懲罰的賠償である」と述べました。
規制強化に動いた背景の1つとして、専門家は次のように分析します。
龍谷大学・李相哲教授:
今のところ、李在明大統領が激怒したきっかけは、自分の少年工時代のことに関してフェイクニュースを流していることだと私は思う。
少年時代に関するフェイクニュースを伝える動画では、大統領が少年時代に罪を犯し、進学できなかったとする虚偽内容を発信していました。
さらに、規制強化の背景には過激なYouTuberへの対策も。
当時の尹大統領への弾劾に賛成する集会に、対立していた李在明氏を批判する、いわゆる保守系のYouTuberが乱入。
専門家は、懲罰的な損害賠償を科すことで、過激なYouTuberの行動を抑制する狙いがあると指摘します。
龍谷大学・李相哲教授:
YouTubeは大きな産業の1つになっていて、YouTubeの影響力は無視できない。
韓国で社会問題化しているフェイク問題。
有効な対策が急がれます。