2025年8月6日は80回目の広島原爆の日です。
6日は岩手県盛岡市でも犠牲者を追悼する式典が開かれました。
式の後には県内に住む被爆者が体験を語る会も開かれ、戦争の悲惨さを強く訴えました。

この追悼式は岩手県などが毎年開いているもので、県内の被爆者やその遺族ら約100人が出席しました。

冒頭で達増知事は、2024年に日本被団協がノーベル平和賞を受賞したことに触れ、これまでの活動を称えました。

達増知事
「皆さまのご尽力に心から敬意を表します。原爆被爆者の皆さま方の援護対策に引き続き取り組んでまいります」

原爆が広島に投下されてから80年。
広島と長崎では合わせて約21万人が犠牲となりました。
県被団協によりますと、広島・長崎で被爆した県出身者は200人以上。このうち県内に住む被爆者は2025年8月6日現在14人です。

広島で被爆した遠野市在住の伊藤宣夫さん(97)は「戦争は人殺し。罪も”とが”もない国民が殺される」と話します。

伊藤さんは1945年2月に16歳で陸軍に志願し広島の部隊に赴任しました。
6日は、爆心地から4.5キロほど離れた港で被爆した体験をとつとつと語りました。

広島で被爆した伊藤宣夫さん(97)
「雷が一度に100個も落ちたかと思われる爆発音とともに熱いものを感じた」

被爆者が年々少なくなり体験の継承が課題となる中、伊藤さんは戦争の恐ろしさを伝え続けることが大切と語ります。

広島で被爆した伊藤宣夫さん(97)
「被爆体験の話をして『戦争はしてはならない』と。平和であるということが大事だなと思っている」

会場には若者の姿もありました。盛岡一高の1年生・岡篤さん(16)です。

追悼式に出席し原爆の悲惨さを知った岡さんは6日、政府に対し「核兵器禁止条約への批准を求める署名」に参加することにしました。

盛岡一高 1年 岡篤さん(16)
「追悼式で言っていた『微力は無力ではない」と。未来や今後に 一歩とはいかなくても0.5歩でもつなげたらと署名した」

戦禍を繰り返さぬため被爆者が語り続ける平和への願い。
それを未来へとつなぐのは、今を生きる私たち一人一人です。

岩手めんこいテレビ
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