広島への原爆投下から6日で80年です。愛媛県松山市の寺では、広島で被爆しこの地に移された地蔵の前で供養祭が営まれ、犠牲者の冥福と平和を祈りました。

鈴木瑠梨キャスター:
「松山市を見下ろす寺に、お地蔵さんがまつられています。このお地蔵さんは80年前、広島の原爆で被爆しました」

松山市御幸の小高い山に佇む「龍仙院」。この寺には80年前の8月6日に広島で被爆した地蔵7体がまつられています。この地蔵の前で午前8時から、副住職が読経し犠牲者の冥福を祈りました。

龍仙院・鳥越乗聖副住職:
「あの戦争で亡くなられた方々が命がけでこの国を守って、今の時代、私たちが生かされているということを大事に思いながら、ご供養をさせていただいています」

7体の地蔵は副住職の曾祖母にあたる西原ミサヲさんが原爆投下後、広島の焼け野原で発見。自宅の玄関先にまつっていたものの、56年前に娘の嫁ぎ先であった松山市の龍仙院に移されました。このうち一体は、原爆の衝撃でなくなった頭を新しく付け替え、顔が怒っているように見えたことから「おこり地蔵」と呼ばれています。

寺では「おこり地蔵」をモチーフにした紙芝居の読み聞かせも行われ、子どもら約20人が耳を傾けました。

紙芝居の語り:
「それはまるで太陽が落ちてきたような、眩しく灼熱の中から吹いてくる強い熱気に何もかも吹き飛ばさたんじゃ」

龍仙院はかつて、毎年8月6日に子ども達や近所の人を集めて「おこり地蔵」の供養祭を営んでいたものの、人手不足などを理由に2008年からは寺の関係者のみで供養。しかし戦後80年の節目の今年、子どもたちに戦争の記憶を語り継ごうと、18年ぶりに開きました。

紙芝居の語り:
「どんな理由であっても戦争はしてはならない。おこり地蔵が優しく微笑まれるようになった時が、本当に平和という世界なのであろう」

平和へのメッセージ。どう受け取ったでしょうか?

13歳の子ども:
「忘れちゃいけないことだなって思いました。意外と戦争のこと知らなかったりするので、少しでも知れたらなと思ってきました」

14歳の子ども:
「罪のない人が死んでいくのがやっぱり悲しいなって思いました。戦争がない世界で、話し合いで解決できる世界になってほしい」

鳥越乗聖副住職:
「戦争がどういうものかそれを今後、自分たちが大きくなって子どもたちにどういう風に伝えられるかを感じながら、少しでも戦争や平和について考えていただけたらありがたい」

このあと子どもたちは千羽鶴を供え、地蔵に水をかけながら平和な世界を願いました。

あの日から80年。世界では戦争のような行為が相次いで発生。「おこり地蔵」は怒っているように前をじっとにらんでいます。

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テレビ愛媛
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