広島と長崎で続けて原爆の被害に遭った「二重被爆者」の遺族などがこのほど会を設立しました。
発表会では壮大な計画が始動していることも明かされました。
「二重被爆 遺族友の会」は、長崎の二重被爆者故・山口彊さんの長女と孫が中心になって7月17日に設立し、会員数は25人です。
二重被爆 遺族友の会 原田 小鈴副会長
「二重被爆者という存在を発掘していく、明らかにしていく、残していくということを私たちは今からやっていきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします」
山口さんは、29歳のとき出張先の広島と地元の長崎で相次いで原爆の被害に遭った「二重被爆者」です。
山口 彊さん
「私の命をバトンタッチしたい」
2009年には病床の山口さんをアメリカの映画監督ジェームズ・キャメロンさんが訪問しました。
タイタニックやアバターなどを手がけた巨匠は、「原爆をテーマとした映画を作りたい」と意欲を示していました。
ジェームズ・キャメロン監督
「あなたは代弁者として選ばれたのだと思う。『私たちはどのような理由でも二度とこのようなことをしてはならない』というメッセージを伝えるために」
山口 彊さん
「私もそう思う」
発表会では、アメリカからオンラインで山口さんを取材したことがある関係者が登場。
8月、二重被爆者について書いた本が出版され、キャメロン監督は「その本を元に、映画の制作準備を進めたい考えだ」と明かしました。
約束から16年後に動き出した話に、遺族友の会も期待を寄せています。
稲塚 秀孝 事務局長
「いつキャメロン監督が(映画を)作るか分からないけど待とうというのと、もう一つはそれが本当に間違いないものであるかどうかを監視役を二重被爆遺族友の会もそうだし、きょう来たみなさんも見守ってもらったらいいと思う」
遺族友の会は、2026年7月には長崎市で国の内外の研究者を集めて二重被爆に関するシンポジウムを開きたい考えです。