NBSのニュース番組でペットを紹介する看板コーナー「わが家のあいどる」が7月9日で放送5000回を迎えました。初回の放送は2000年の10月、まもなく25年になります。「NBSみんなの信州」のYouTubeチャンネルの「わが家のあいどる」のカテゴリーの中で1位となった猫のその後を取材しました。新しい家族を迎え、気ままな毎日に変化が起きていました。
■再生回数1位の猫に新たな家族が
「岡谷市の小沢さんのあいどる、体も態度も大きい、プレジデントです」
2025年2月に紹介した猫の「プレジ」。長野県岡谷市の小沢さんのあいどるで、大きな体格とふてぶてしい態度が視聴者の心をつかみました。
「NBSみんなの信州」のYouTubeチャンネルで、これまでの再生回数は36万回。「わが家のあいどる」の中で堂々の1位です。
6月下旬、再び小沢さんの家を訪ねてみると、新しい家族がいました。
メス猫の「ちぃ」(推定10カ月)。
まだ1歳になっていない子猫です。
■「誰おまえ?」が数日後には変化
出会ったのは前回の撮影(2025年1月)のすぐ後でした。
小沢薫さん:
「近所に小さい野良猫がいるって娘から言われて、他の野良猫集団もいるんですけど、攻撃を受けているような、一匹狼的な猫だった」
体中、傷だらけだった子猫。急きょ家に迎えました。
「プレジ」は―。
小沢薫さん:
「もともとシャーするような猫ではないんですけど、『誰おまえ?』みたいな雰囲気」
当初は興味がなさそうな「プレジ」でしたが、数日後には―。
小沢薫さん:
「毛づくろいしようとして、ちぃに『やめろ』って」
「ちぃ」にかまれながらも近寄ってなでようとする「プレジ」。
それからおよそ半年がたち、2匹寄り添う姿が家族を癒やしています。
小沢さん:
「最近やっと2匹で絡み合って毛づくろいする姿が見られるようになって。『プレジの愛が伝わったんだね』って。(ちぃに)かまれてるのに一生懸命なでようとしてくれて、(プレジは)やっぱり神様なんじゃないか」
■体重差3倍近く“でこぼこコンビ”に
3キロと8キロ、3倍近い体重差のあるでこぼこコンビです。
仲良くおやつを食べ、なんともいい感じですが、プレジの皿だけ前に。
小沢さん:
「ちぃが家に来てから(プレジは)取られちゃう、ごはんを。(プレジに)ちょっと多めにあげている」
元気いっぱいの「ちぃ」。子どもたちと家中を走り回ります。
小沢さん:
「歩くと物を落とすとかも、『ちぃ』で初めて知ったというか。これはだめだとか、『ちぃ』に触ってほしくないから片付けようとか、(子どもたちも)関心が増えた。世話している自覚はあると思います」
長女・澪さん:
「(プレジとちぃどっちが好き?)『ちぃ』、寝たとこかわいい」
長男・稜ちゃん:
「(ちぃが来てどう?)うれしい。なめあいっこしてるとこ」
■“猫らしさ”教えてもらうことも
そんな家族を尻目に、「プレジ」はあくまでマイペース。やんちゃな「ちぃ」の勢いに押され、机の下に身を潜めます。
ただ最近は大きな変化が―。
小沢さん:
「『ちぃ』が来てからやっと(おもちゃに)手を出すようになった。『プレジ』はおもちゃで遊んでくれなかった。『ちぃ』を見て初めて『猫はこうやって遊ぶんだ』ってわかったみたい」
見向きもしなかったおもちゃに手を出す「プレジ」。これは、「ちぃ」から”猫らしさ”を教えてもらっているんでしょうか?
獣医師は―。
あおきじま動物病院・金谷俊平院長:
「活発な子が(家に)来て『なんだ、こんな遊びあるんだ』みたいな。で、ちょいちょいやってみたら『お、なんか本能くすぐられる』。野生の血が騒いでいるような感じはしましたけど(笑)、『ちょっと血が躍るな』みたいな」
獣医師の金谷俊平さん。長野市で「あおきじま動物病院」を開業しています。
一見ちぐはぐに見える組み合わせでも、猫は意外と馴染んでいくそうです。
金谷院長:
「(ちぃは)引き出してくれているんじゃないですかね、プレジの新たな側面を。プレジ自身もなんとなく楽しいんじゃないですかね」
■「こんな奴がいてもいいか」すみ分け
「プレジ」はふてぶてしく見えても性格はおっとり穏やか。さらに、2匹が仲良く暮らせる背景には、うまくすみ分けができる空間もありました。
金谷院長:
「家を見ると、隠れる場所があったり、部屋の端にキャットタワーがあって、猫は自分の“テリトリー”が狭くても(自由に)上下に動ければ安心する」
さらに、それぞれのにおいがつくトイレの配慮も必要です。
金谷院長:
「トイレは1頭に1個。あとは逃げ場としてもう1個。飼育頭数プラス1が基本」
「ここは俺のテリトリー」と言わんばかりに動じない存在感も、「ちぃ」に安心感を与えているのかもしれません。
金谷院長:
「(プレジは)クッションの上にドンといたけど、もう1頭2頭増えても大丈夫そうな気がする。『まあ、こんな奴がいてもいいか。俺も距離とれるし』みたいには見て」
小沢薫さん:
「(プレジは)1日中ソファで寝ている猫だったけど、『ちぃ』はそれを許さない。『プレジ』は追いかけられて、ちょっと運動量上がった気がします。2匹で目を閉じて毛づくろいしあう、じゃれあう時間が、もっと増えるとうれしい」
いい距離感を保ちながら、にぎやかな「あいどる生活」が続きます。