「ワインは苦手」という人に「これはおいしい」と言わせたい。
成城石井の挑戦に迫りました。
「初めてワインを飲んだ」と言う、多くの若者たち。
よく見ると、氷を入れたものに、凍らせたフルーツやアイスを入れたものまで。
飲みやすさを追求したこのワイン。
実は、老舗スーパー「成城石井」が独自に開発したオリジナルワインです。
「成城石井」商品本部・星野鉄兵さん:
ワインは小難しいとか、気軽に肩肘張らずに飲んでいい。ワインの価値の再構築。
目指したのは、多くの人が好む「みんなのワイン」ではなく、ワインは苦手という人が「これなら飲める」「これはおいしい」という発見がある、「私のためのワイン」を提供することです。
創業95年以上、老舗スーパー「成城石井」。
年々店舗数を拡大させ、その数は200店舗以上。
自家製の惣菜やデザートに、バイヤーの目利き力を生かして世界中から調達したチーズなど、高品質な商品を豊富にそろえています。
中でも、柱となっているのは、約500種類もの品ぞろえを誇る「ワイン事業」。
「成城石井」商品本部・星野鉄兵さん:
成城石井のコーポレートカラーであるボルドーレッド。ワインビジネスのこだわりを象徴するような形。近年、ワインの売り上げ不振が課題となっていて。
店舗数を拡大させる中で求められた、売り上げ不振のワイン事業の立て直し。
そこで「ワインの価値を再構築したい」と、新たな商品開発がスタートしました。
狙ったのは、購入頻度の少ない20~30代です。
若者の「ワイン特有の渋みが苦手」、「高級なイメージで手が出しづらい」という苦手意識を克服するため、試飲会で若手社員と意見交換。
試行錯誤の上、誕生したのが、フルーティーで飲みやすさを追求した白ワイン「アイスサマーヌーヴォ」です。
原料に使用したのは、南アフリカで2025年に収穫したばかりの「シュナンブラン」と呼ばれるブドウ。
引き締まった果実味・酸味の特徴を生かし、現地のワイナリーで独自に製造しました。
「成城石井」商品本部・星野鉄兵さん:
トロピカルフルーツのような、華やかな香りが特徴のワインに。親しみやすい味わいに。
さらに「より爽やかに飲んでほしい」と、ワインに氷や凍らせたフルーツ、アイスを入れる新たな飲み方を提案。
一方、顧客との接点を増やして「ワインの魅力をさまざまな入り口から発信したい」と、渋谷・恵比寿などにワインバーをプロデュース。
試飲イベントを実施し、多くの若者が「私のためのワイン」と出会う機会をつくりました。
客からは「氷が入っているのが一番おいしかった」「パイナップルのやつもおいしかった」「ワイン好きという人、若者に多くない感じはするが、こういう感じだとだいぶ飲みやすい」といった声が聞かれました。
ワインバーを楽しんだ若者が隣にある「成城石井」に足を運び、商品を購入する姿も。
ワインを通して店舗全体を知るきっかけも作っていきたい考えです。
「成城石井」商品本部・星野鉄兵さん:
ワインに合うような食品を多く取りそろえているので、生活の一部として楽しんでもらう提案は、スーパーマーケットだからこそできる。