ドラマでもおなじみの警察学校の話題です。警察の仕事は、やりがいがありそうだが警察学校の生活は厳しそう。こうしたイメージと現実のギャップを埋めようとする岡山県警の取り組みを取材しました。
岡山県警察学校で7月30日に開かれたオープンスクール。警察の仕事に興味を持つ高校1年から社会人まで49人が参加しました。
〇白バイ走行
参加者の1人、岡山県内に住む橋本陽さん(19)です。高校卒業後、1年間の社会人を経て、今は警察官を目指すため専門学校に通っています。
(岡山情報ビジネス学院1年 橋本陽さん)
「子供のころから人助けをしたかった。前は別の会社で働いていたが、自分の体で人助けを感じたかった。それで思ったのが公務員の警察官だったので志願した」
本物の警察車両に触れるのは初めてという橋本さん。倒れた白バイ起こしに挑戦しました。車体は約300キロもあります。
〇白バイ起こす
苦労した橋本さんと違い、白バイ隊員は軽々と車体を扱います。橋本さんの目に、その姿はきらきらと映りました。
(橋本陽さん)
「めちゃくちゃ重かったので訓練が大変だと感じた。白バイ隊員は目指してなかったが、興味がわいたので良かった」
橋本さんたち参加者は、犯人を取り押さえるための技術、逮捕術の授業を見学したり、本物のパトカーに乗り込んでサイレンや拡声器を操作したりしました。
(橋本陽さん)
「(サイレンは)思ったより大きな音で、押すボタンもいろいろあって覚えるのも大変そうだった。日々練習した上での行動なんだと改めて実感した」
民間企業の採用増加など社会環境の変化があり、岡山県警を志願する人は、この10年間で約半分になりました。
さらに採用後に入る警察学校で理想と現実のギャップから退職する人もいるということです。そうした状況に歯止めをかけようと企画しているもので、岡山県警は飾らない姿を見てもらいたいとしています。
(警察学校の初任科生)
「初任科生第○期、いただきます!」
2025年に採用され、警察学校に入って数カ月の初任科生や警察署から招かれた警察官に交じって、カレーライスを食べる参加者。橋本さんは率直な疑問をぶつけました。
(橋本陽さん)
「大変なことや、やりがいは何ですか?」
(警察官)
「「あそこの警察官に頼めば何でも教えてくれるし、案内もしてくれるしいいよね」と思われるように日々努力し、把握に努めるのが大事」
警察学校の生活や仕事のやりがいを学んだ橋本さん。警察官になりたいという思いはさらに高まっていました。
(橋本陽さん)
「地域の人の声を聞いて、その声がちょっとでも良くなるように自分から行動していく警察官になりたい」
橋本さんのほかにも多くの参加者がこの取り組みを通して感じることがありました。
(高校1年 喜納那珠さん(16))
「警察官や警察学校は怖いイメージしかなかったが、警察官は思ったより優しいし、笑顔があってびっくりした」
(高校3年 金光彩夏さん(18))
「寮での生活や警察学校を卒業した後どういう動きになるのかを教えてもらった。より一層、警察官になりたいと思った」
(岡山県警警務課 村山充司課長補佐)
「やる気と体力と気力があれば誰でもなれるチャンスがあると思うので、一人でも多くの人に受験してほしい」
岡山県警は2026年春採用の警察官など応募を8月14日まで受け付けています。