アメリカのトランプ大統領は30日、ブラジルからの輸入品に新たに40%の追加関税を課す大統領令に署名しました。
「相互関税」と合わせ、50%の関税が課せられることになり、各国への税率で最も高い関税となります。
ホワイトハウスは追加関税の理由について、ブラジル前大統領への「政治的な迫害」だと説明しています。
大統領令によりますと、関税はオレンジジュースや航空機などアメリカに物価高などの悪影響を及ぼす品目が除外されますが、主要な輸出品の一つであるコーヒー豆は除外されませんでした。
トランプ大統領は、クーデターの計画などで起訴されたブラジルのボルソナロ前大統領をめぐる現政権の対応を批判していて、「魔女狩りは今すぐ終わるべき」などと述べ、8月1日から50%の関税を課すと表明していました。
新たな関税の発動は7日後としていて、猶予をもたせることで譲歩を迫る狙いがあると見られます。
ブラジルのルラ大統領は30日、自身のSNSで「アメリカによるブラジル司法への干渉は受け入れられない。あブラジルは民主主義と人権を尊重しており、正義は交渉の材料ではない」と投稿し、引き続き交渉を続ける意向を示しています。