30日朝、ロシアのカムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード8.7の大地震により、太平洋沿岸に押し寄せた津波。その影響をまとめました。
千島列島・パラムシル島では、水産加工場が水没するなどの被害が。
その影響は、震源から遠く離れた日本にも。
気象庁は、太平洋沿岸に津波警報や注意報を発表。
最大で3メートルの津波が予想されるとして、避難を呼び掛けました。
津波警報を受けて、沖合の漁場から港に戻る漁船。
北海道・釧路では午前10時42分に、30cmの津波を観測。
津波が最も早く到達した北海道では、多くの人が建物の屋上に避難しました。
また、各地で第1波が観測された以降に、より高い津波が観測されていて、岩手県の久慈港では、午後1時52分に1m30cmの津波を観測しました。
宮城・東松島市を流れる定川で、午後3時半ごろに撮影された映像では、川の上流方向に向けて白波が立っていて、津波が遡上(そじょう)しているとみられる様子が確認できます。
宮城・気仙沼市では、カキ養殖のいかだがひっくり返ってしまうなどの被害が出ています。
カネキ水産・小松涼太さん:
津波の潮の流れの影響で、いかだがひっくり返ってしまっている。(仲間の)いかだが7台くらいは海に沈んでしまった。1台あたり2万5000個ほどのカキの収穫が見込まれていた。
夏休みを迎える中、観光地にも影響が。
多くの海水浴客が訪れていた、神奈川・江の島周辺のビーチからは人影が消え、新江ノ島水族館も臨時休館に。
一方、神奈川・藤沢市では、26日に開所したばかりの津波避難タワーに150人以上が避難しました。
消防団員:
僕は消防団に入っているので、各避難所を全部回って避難者が何名いるか、備蓄がどれくらいあるか確認しながら報告して、みんなで連帯して動いている。
千葉県の勝浦湾を望む高台の天望デッキ。
避難してきた人の多くが、旅行中の人たちでした。
避難者は、「近くに友達がいるので、(滋賀県から)遊びに来て1泊したが、慌てて避難してきた」「津波の警報があったので、海で遊ぶこともできないので、いったん高台に逃げてきた」などと話しました。
総務省消防庁によりますと、避難指示の対象者は午後5時の時点で、全国で200万人を超えています。
津波警報は、午後9時前に全て注意報に切り替わりました。
これを受けて、避難所から自宅に帰る人は「帰れるのでほっとしているが、まだ注意報なので準備だけして、いつでも逃げられるようにしておこうかなと」と話しました。
気象庁は、「少なくとも1日程度、津波の高い状態が継続する見込み。もう少し注意していただきたい」と発表しています。