「前回もここに逃げた、だから今回も」
カムチャツカ半島沖で発生した大地震の影響で、東北地方の太平洋沿岸にも津波注意報が発表された。
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市や気仙沼市では、沿岸部の住民や観光客らが高台へと避難する姿が相次いだ。
石巻市の象徴ともいえる高台、日和山には次々と市民が集まった。
市内で川沿いの作業現場にいた男性は、津波注意報の発表を受けてすぐに避難を開始したという。
「川沿いで仕事していまして、津波注意報が出たので避難してきました」
別の男性は、震災当時の経験から警戒を怠らなかった。
「震災当時もこちらに住んでいましたので、今回も“すぐ避難しないと”と、すぐに行動に移しました」
「前もかなり被害があったので、今回はそういった被害が出ないよう祈るばかりです」
宮城県東松島市から訪れていた男性も、注意報レベルでも油断しない意識を口にした。
「注意報なので油断はできないんですけれども、よく(様子を)見て、という感じで避難してきたんで」
「無事に何事もなければと、祈るばかりです」
一方、気仙沼市では、観光や出張で訪れていた人の姿もあった。
堤防の近くにいた男性は、「とりあえず堤防のこちら側に避難した」と話す。
もう一人の男性は千葉県から訪れていたといい、津波への対応に戸惑いながらも慎重な行動を取った。
「きょうは千葉から来ました」
「出先で津波注意報を受けるのは初めての経験なので、ちょっと戸惑いました。ただ、自分は北海道の釧路出身なので、そっちの方がニュース的に“やばそう”で、そっちの家族も心配です」
東日本大震災から14年以上が経ったが、かつての被災地では「注意報でも避難する」という意識が根づいている。