自主防犯パトロールで地域の安心・安全を守る

大分・日出町豊岡の自主防犯パトロール隊「しまやま会」。
登下校の時間帯は毎日通学路に立ち、子どもたちを見守っている。

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「しまやま会」が設立されたのは2003年。
当時、地区内で車上荒らしなどが多発していたことから、地域の安全・安心を守ろうと、県内初の自主防犯パトロール隊として活動を始めた。

メンバーたちは、1日3回のパトロールを実施。
その結果、年間150件ほどあった事件が3年後には一桁にまで減少した。

平均年齢60歳以上 中心メンバーの高齢化に課題

そんな「しまやま会」が今、ある問題に直面している。

しまやま会 白水秀明会長:
もう高齢化ですね。気持ちはあるんですけど、なかなか体がついていかないみたいで

こう話すのは、白水秀明会長、86歳。

少子高齢化などが地域を守ろうとする活動にも影を落とす中、どうすれば安心・安全を次の世代に引き継げるのか、白水会長も大きな課題と感じている。

しまやま会 白水秀明会長:
活動をやめたら、やはり自然にまた犯罪が増えていくのではないかという心配はあります

県警によると、県内の自主防犯パトロール隊は2003年以降、各地で結成され、現在363団体が活動している。

その動きに応えるかたちで、刑法犯の認知件数は2003年以降減少傾向にあり、県警は自主防犯パトロールの果たす役割は大きいと分析している。

しかし高齢化は顕著で、約75%の団体で平均年齢が60歳以上になっているという。

「ながら見守り」に企業が参加 県も支援

地域住民の自主的な活動が支えていた防犯活動。
岐路に立たされる中、新たな動きも出てきている。

大分ケーブルテレコムでは、社用車に「こども110番のくるま」というステッカーを貼って、「ながら見守り」を行っている。

「ながら見守り」とは、地域に根ざした事業所などが、仕事をする中で防犯を意識した目配りをするという活動。

100台の社用車を持ち、大分市内全域を回るこちらの企業では、県警と協定を結んでいて、全ての車にステッカーを貼り、営業活動をしながら地域を見守る。

大分ケーブルテレコム 荒木節夫常務:
防犯パトロール隊の目の届きにくいエリアもカバーできるのではないかと考えています。また、防犯パトロール隊に代わるというよりも、一緒に地域のみなさまの暮らしをより安全なものになるよう、今後も微力ながら活動していきたいと考えています

こうした動きについて県は、2020年度から支援を始めていて、県全体で取り組みを進めたいと話す。

大分県消費生活・男女共同参画プラザ 浜田洋一さん:
地域全体で安全を確保する体制の強化をはかっていきたいと考えています

これまでの活動を継続させると共に、時代の変化に対応しながら新たな取り組みを進めていく。
地域の安全を守るための動きが広がりを見せている。

(テレビ大分)

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