秋田県三種町にある自然の中で、自家製野菜や果物を使った料理を味わえるスポットがあります。おいしい食事の鍵を握るのは「ヤギ」。体にも環境にも優しいひとときをヤギと一緒に堪能してみませんか。
◆ヤギと一緒に目指すは“自産店消”
三種町の山本智さんの農園には、元気いっぱいのヤギの鳴き声が響きます。その隣に目を移すと、自然と調和した建物「農園りすとらんて herberry(ハーベリー)」があります。
経営する山本さんは秋田市出身。55歳で東京都内の企業を早期退職し、三種町に移住しました。その後、2011年に妻とともにこのレストランをオープンしました。
農園りすとらんて herberry・山本智さん:
「『自産店消』という自分で作って店で消費するという造語を作り、それを目指してやっている」
山本さんは、野菜のほかブルーベリーやイチジクなどを自ら栽培し、調理して提供しています。さらに、ヤギもレストラン経営に一役買っています。
山本智さん:
「ヤギなどの家畜がいないと一方通行になる。ところがヤギがいると、例えば店で使った野菜の残りかすをあげると、それがふんになるので堆肥にして畑に戻す。そしてまた野菜になる。あるいはミルクをとって食卓に出す。このように循環ができる。それでヤギを飼ってみようと思った」
◆一押しメニューは「ウィークエンドランチ」
こだわり食材を使った料理はどれも人気ですが、一押しは週末だけの限定メニュー「ウィークエンドランチ」です。農園のヤギのミルクで作ったチーズがアクセントのサラダに、白インゲンマメを使ったトマトベースのパスタなど、4品が味わえるお得なセットです。セットのスープは、町で取れたジュンサイにアオサを加えていて、春から夏だけの特別メニューです。
吉方桃花アナウンサー:
「ジュンサイとアオサのスープは、すごくさっぱりしている。ジュンサイがつるっとしていて喉越しがいい。スープもとても味わい深い」
スープの隠し味には、しょっつるが使われています。
食事のあとにデザートはいかがですか。ヤギのミルクプリンはherberry自慢の一品です。材料はヤギのミルクと砂糖、卵だけです。優しい甘さが口の中に広がり、あっさりしているのにコクがあります。
◆客と双方向で楽しめるスタイルに
herberryがオープンして2025年で15年。山本さんの取り組みはこれだけにとどまりません。
山本智さん:
「もう2~3年で飲食の形を少し変えてみようと思っている。自分が本当に得意とすること、例えばワインの教室やヤギの教室、お菓子作りの教室をやるなど。そのようなことも入れていきながら、お客さんと双方向でやれることを少し取り組んでいきたいと思っている」
ヤギとともに地域の輪を広げる山本さんの挑戦は続きます。