戦後80年となり、戦争の記憶の風化が進んでいます。こうした状況に歯止めをかけようと、新たな「語り部」を育成する研修会が、7月29日、岡山市で初めて開かれました。

これは戦没者の遺族などでつくる岡山県遺族連盟が初めて開いたもので、戦没者の子供や、直接戦争を知らない孫世代など約70人が参加しました。

〇講演の様子
「写真を見る度に年齢と比例して涙の量が増えます」

父親が戦死したという美作市の正子初美さん(82)。その言葉は、魂の奥深くから湧き出る悲しみに満ちていました。

今や人口の9割が戦後の生まれとされ、ほとんどの人に戦争の記憶がありません。記憶をどうやって継承するか、県遺族連盟は大きな使命感を抱いています。

(美作市遺族連合会女性部 正子初美さん)
「80年間戦争をしなかったということに尽きる。大事な会だから、年を取って大変だが生きている間はみんなで頑張って伝えていこうという思い」

29日の研修会は、戦没者の孫世代となる50代以上を想定したもので、県遺族連盟では、そうした孫世代がさらに若い世代へ継承する流れをつくりたいとしています。

(岡山県遺族連盟 増本信行事務局長)
「遺族が身をもって体験した戦争体験を若い人たちに広く知ってほしいと思う」

県遺族連盟では、今後も定期的に研修会を開くことにしています。

岡山放送
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