首位を走るファイターズ。チームの大きな力になっているのが、外国人選手の活躍だ。
彼らを側でサポートするのが、通訳の人たちだ。
現在、チームでは英語やスペイン語などの通訳8人が働いている。母国を離れてプレーする選手の強い味方だ。
「とても重要な存在です。チームメイトであり、ある意味親友でもあります。通訳以外でも色々なことをしてくれる、日本の生活に欠かせない存在です」(マルティネス選手)

球団初の女性通訳・佐久間しんじゅさんの挑戦
そのひとり。球団初の女性通訳として働いている佐久間しんじゅさん。
「選手が打てたらうれしいです。興奮しますね」(F英語通訳 佐久間しんじゅさん 24歳)
小学生の時に習い始めた英語の楽しさにのめり込んだ。
「新しい言語を学んでいるだけで、その言語を使って新しい人たちと知り合えて、新しい考え方を学べる。世界が広がる感覚がしたのが面白かった思い出があります」(佐久間さん)

通訳の道へ―スポーツに魅せられて
留学を経て帰国。
バドミントンの世界選手権の通訳を経験した佐久間さんは、スポーツの世界に魅力を感じ、ファイターズのスタッフとして働き始めた。
ただ、野球の経験のなかった佐久間さん、最初は苦労したという。
「専門性の高い話になると、投手のボールの回転軸、球種の話、軌道の話、そういった所の難易度は高かったです。女性だからというのも、いい意味で意識しすぎることなく仕事ができているのは、みんなが快く受け入れてくれているからという印象を受けています」(佐久間さん)
女性通訳だからこそできたサポート
一方、女性だからこそ任された仕事も。
2024年、キューバ出身のマルティネス選手の妻が妊娠した際には病院に付き添った。
「お腹の中でお子さんが成長して、健康にすくすく育っている姿を見た時は、毎回私も感動しながら素敵だなと思いました」(佐久間さん)
マルティネス選手にとっても忘れられない出来事だ。
「スペイン語を話す3人の通訳が中心になってくれましたけど、女性同士なので身体に関する繊細な内容をサポートしてくれたので、大事な存在でした」(F マルティネス選手 29歳)

プライベートでも心強い通訳の存在―選手の素顔は?
外国人選手のプレーだけでなく、プライベートでも心強い通訳の存在。
選手の素顔を聞いてみた。
「レイエス、モーレは日本語がどんどん上手くなっていて、ロッカールームでは通訳を介さないで日本人に話しかけに行って会話ができる。日本人から学んで、新しい日本語を学んで習得して使えるようになっているのを見ると、努力家」(佐久間さん)
「(Q:マルティネス選手について)情報収集能力がすごい。なんでも知っている。『日本の政治がこうなのか』とか、僕よりも早く知っていることが多い」(高橋さん)
通訳という仕事 “隣にいる存在”だからこそのやりがい
通訳という仕事のやりがいは。
「通訳だけじゃなくて、選手やスタッフに支えられている外国人選手。その人たちと楽しそうにしている姿を見るのが楽しい。通訳は常に隣にいるので、素敵な仕事だと思います」(高橋さん)
「去年シーズンが終わって選手が帰国するタイミングで、たくさん思っていた感情を伝えてくれて、感謝を伝えてくれると、1年間、伴走できて良かった、光栄だったという思いが胸にこみあげてきたのを、今でも忘れずに残っています」(佐久間しんじゅさん)
