北海道で暮らす働くママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」。
子育ても仕事も頑張りながら働くママさんたちのリアルな1日をのぞくと、限られた時間で家事・育児をこなす究極の時短ワザの連続でした。
今回の主役ママは、北海道・十勝の芽室町でパーソナルトレーナーとして働くみかさん(42)。
11歳のみおさん、8歳のなおさん、5歳のりおさん、3姉妹を育てるママです。
夫のしんごさん(42)は主に小麦を栽培する農家「土井ファーム」の5代目です。
実はしんごさん、スピードスケートの元オリンピック選手。
3姉妹は2歳の頃からスピードスケートを始め、パパのように世界で活躍する選手を目指して、日々トレーニングに励んでいます。
そんな3姉妹を育てるママは大変。
1年365日休みなく、栄養管理を徹底した食事作りで支えるジュニアアスリートママの1日を追いました。
午前8時10分の朝食作りから撮影スタート。
この日は休日。ママだってゆっくりしたいはずの朝も食事の支度に大忙し。
「トレーニングでエネルギーを使うので、塩から摂れるミネラルを大切にしている」とみかさん。
ミネラル豊富な良い塩を使っているんですって。
味噌汁の具は冷凍のカット豆腐。
「長期保存できて、冷凍してた感がそんなになくて滑らか」でお気に入りなんですって。
さらに冷凍庫から出てきたのは、丸めない「味噌玉」。
みかママ流の味噌玉は、味噌に、お麩と無添加の乾燥ほうれん草、乾燥ワカメを混ぜ込み、さらに出汁とミネラルサプリも入れて冷凍保存。
鍋に溶かすか、お椀に直接入れて溶かすだけで簡単に味噌汁ができるので、とっても便利。冷凍してもかたくならず、1か月ほど保存できます。
長女のみおさんも卵を焼くお手伝い。ミルフィーユのように上手に巻いたら完成。
8時45分、3姉妹そろって朝食です。
子どもたちが食べている間にも昼食の下ごしらえ。
スタッシャーという繰り返し使えるシリコンバッグを使って鶏肉を漬け込んでいきます。
漬け込み・冷凍・湯せん・レンジ調理までこれひとつでできるスグレモノ。特に鶏肉を使った料理に重宝するそう。
午前9時10分、今度は夕食の下ごしらえ。
なんとソーセージまで手作り。
スパイスやハーブなどで味付けをしたタネをソーセージメーカーに入れて羊腸に詰め、ひねって形を整えれば、手作りソーセージの完成です。
「スピードスケートは体の土台がちゃんとしてないと続けられないスポーツ。余計に食にこだわるようになった」と、みかさんは話します。
1日3食の食事作りに加えて、エネルギーを摂取するための補食も手作り。運動量が多いのでしっかり食べないと体重が落ちてくるんですって。
カットして冷凍しておいたバナナにチョコをかけると一瞬で固まってチョコバナナのアイスに。
外はパリッと。少しおくと中が溶けてくるので、トロっとしておいしいのだそう。
午前10時10分、ようやく自分の朝ごはん。
「いつもこんな感じ」と、お化粧をしながらの朝食です。「時間を争うから、ゆっくりお化粧している余裕がなくて」とみかさん。
午前10時40分。休む間もなく、今度はコーチ役。子どもたちのトレーニングに付き合います。
子どもたちに話を聞くと「お父さんはめっちゃ厳しい」とのこと。
「夫はもともとアスリートだから、(指導に)力が入りやすくて。褒めるのと厳しい部分のバランスがすごく大事だと思うけど、夫は結構厳しい。できる人だから余計に」
だからこそ、みかさんは「上手になってるよ」とか「いいよ」とポジティブな声かけをしてあげたり、トレーニングに一緒に来てあげたりしているのだそう。
休日は大会がある日が多く、もちろん同行。ママはマネージャーの役割もこなします。
この日、長女・みおさんが参加したのは、帯広市で開催されたスケート教室「ジュニアスリート夢応援塾」。未来のオリンピアンを目指す十勝の小学生91人が集結していました。
講師を務めたのはオリンピック金メダリストの清水宏保さん。
そして、バンクーバー五輪に出場した夫・しんごさんも指導者として参加しています。
スケート技術を学んだ後には、明治の管理栄養士による食育セミナーも開催されました。
競技での目標を書いた上で食事について学ぶことで子どもたちの意識も高まります。
スケートの技術向上と合わせて食育を行うことで子どもたち自身が食の大切さを意識して欲しいという主催者の思いが込められています。
指導者として参加していた夫・しんごさんの「いいシーズンになるよう応援しています。今日はお疲れ様でした」という言葉でスケート教室は終了です。
午後6時10分。夕食作りはパパと協力。
畑の野菜を使って作るポテトサラダ。規格外品の長芋は片栗粉をまぶして揚げ、塩で味付け。
パパも料理上手です。
「一緒に作っていても途中からフェードアウトして、仕事をさせてもらったりします」と、ここでようやくママの貴重な自分の時間が捻出できたみたい。
朝仕込んだ手作りソーセージはボイルしてから焼けば、夕食が完成。ボイルした方がジューシーに仕上がるそうです。
子どもたちは「おいしい。めっちゃおいしい」とソーセージをパクパク。ほかにも栄養満点、手作りの料理が食卓に並びます。
実はみかさん、ここまで全力で子どもたちを応援できるようになったのは最近のこと。
普段パーソナルトレーナーとして正しい姿勢を意識したり、体を温めることの大切さを知っているからこそ、スピードスケートという競技を続けることには前向きになれなかったと言います。
「(スピードスケートは)心の中で反対でした。夫になんか変なこと言ったと思うんです。人間が進化の過程で、四足歩行から二足歩行になったのに、四足歩行の時のような姿勢でやるスポーツの意味が分からないって言っちゃって。寒いし冷えるから、体が冷えるスポーツって…なぜスケートなんだ、みたいなのはあった」とみかさん。
「100%の熱量になってあげられない自分に自己嫌悪。他のお母さんを見て、よくそこまで一生懸命になってあげれるな。すごいな。私はそこまでいけない…みたいな感じだった」
そんな、みかさんの葛藤を打ち消したのは、長女・みおさんがスケートに打ち込む姿でした。
「(500mで)一番速い子が48秒。(自己ベストは)49秒。1秒はデカいんだよ。0.1秒でも縮めるためにやっている」と、みおさん。
自分の意志で強くなりたいと毎日休まず練習を続けています。
「今シーズンから、ちゃんと応援してあげよう。『やりたい』と言う分には応援してあげたい」と、みかさん。
家族で同じ方向を向いてサポートしはじめた今、みおさんもどんどん調子を上げています。
「一緒に練習してあげるようになってからのほうがすごく成長を感じるので、私も楽しいですね」
みかさんにとって、子どもたちの成長が一番の原動力です。