韓国南部で続く記録的な豪雨により、各地で土砂崩れが発生。行方不明者、死亡者も多く出ている。慶尚南道では峠道を走行中のドライバーが突然土砂に追われ、間一髪で難を逃れた。専門機関によると極端な雨量が斜面の崩壊を加速させる要因となっており、今後も警戒が必要とされている。

土砂に襲われる一部始終

韓国・慶尚南道で19日、峠道を走っていたドライバーが目にしたのは、ものすごい速さで迫る土砂だった。

追いたてられたドライバーは当時を振り返り、「絶体絶命の状況でした」と語っている。

土砂崩れや河川の氾濫で混乱が続く現地
土砂崩れや河川の氾濫で混乱が続く現地
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韓国では16日から大雨が続いた影響で土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、23日の時点で23人が死亡、5人が行方不明になっている。

南部の慶尚南道で撮影された映像では、土砂が車道を飲み込むように駆け降りていく様子が捉えられていた。

土砂から逃れるも木に阻まれた撮影者
土砂から逃れるも木に阻まれた撮影者

ドライバーは急いで避難を開始した。しかし、流れてきた木の枝が行く手を阻んだ。

次の瞬間、後ろで大規模な土砂崩れが発生し、まるでドライバーを狙うかのように追いかけてきた。

この時の状況についてドライバーは、「バックミラーを見ると、今にも襲われそうで、どうしたらいいかわからなかった」と語っている。

“極限豪雨”で崩壊が一気に進行か

なぜ、これほど急激な土砂崩れが起きたのか。

地元メディアによると、この日、周辺の雨量は1時間あたり100mmを超え、韓国気象庁が定義する「極限豪雨」となっていた。

韓国の専門機関である国立災難安全研究院の実験映像では、1時間あたり50mmの雨では土砂はズルズルとゆっくり崩れていた。

極限豪雨を再現した実験映像
極限豪雨を再現した実験映像

一方、1時間あたり72mm以上の「極限豪雨」では、一気に崩壊していた。染みこんだ雨が地中の砂を先に押し流し、斜面全体の崩壊が早く起きる可能性が高まるという。

土砂はブロックの家もいともたやすく壊してしまう威力だった。実験では中のマネキンを一瞬で飲み込み、押し流していった。

専門家は山の近くに住む人は早めに避難するべきと話している。
(「イット!」 7月24日放送より)

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