参院選で14議席を獲得し躍進した参政党。その背景には若者や非正規労働者の不満があると、中央政界取材30年超のフジテレビ解説委員・平井文夫さんは分析する。岩手選挙区では「野党共闘」の盤石さを見せる一方で、自民党の票が参政党に流れた実態も。衆参で自公が過半数割れとなり、政権運営の不安定化が懸念される中、与野党協議の重要性を指摘する。

「参政党が自民票を取り込む」

平井文夫解説委員は今回の参院選における参政党の躍進について、自民党からの票の流出が大きな要因だと指摘している。

7月8日、参政党・神谷宗幣代表が盛岡駅前(岩手県)で演説
7月8日、参政党・神谷宗幣代表が盛岡駅前(岩手県)で演説
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岩手選挙区の結果を分析し、「(岩手選挙区で)立憲民主党の票と、自民党と参政党を足した票が同じくらい。だから、やはり自民党は参政党に食われたというのが一つ」と述べた。

また、立憲民主党については「(全国でも)数少ない野党連合(共闘)ができたので盤石だったが、もしこれが崩れれば、立憲だって岩手でも負けたかもしれない」と分析。
参政党の台頭が今後、岩手に根付く「野党共闘」の態勢を揺るがす可能性を指摘している。

若者の不満を代弁

参政党が14議席を獲得し大躍進した背景には、若者や非正規労働者の不満を代弁する新しい政党としての側面があると平井解説委員は分析する。

7月8日、参政党・神谷宗幣代表が盛岡駅前(岩手県)で応援演説
7月8日、参政党・神谷宗幣代表が盛岡駅前(岩手県)で応援演説

平井解説委員は「高齢者はたくさん医療費を使って年金をたくさんもらって、我々は年を取ったらそんなに年金をもらえないかもしれない、なのに給料からものすごくたくさん引かれている。おかしいじゃないかという若者の不満(を代弁している)」と、世代間格差への不満が支持拡大の要因になっていると説明した。

政権運営の不安定化

今回の選挙結果を受け、衆参両院で自公が過半数を割り込んだことから、平井解説委員は政権運営がさらに不安定になると指摘する。

フジテレビ解説委員・平井文夫さん
フジテレビ解説委員・平井文夫さん

フジテレビ解説委員 平井文夫さん:
与党は野党の意見を聞きながら政権運営をしなければいけなくなる。(例えば)消費税減税を野党が実現して、その尻ぬぐいを与党がするのはおかしい。やっぱり政治家同士で話し合って何をすべきかをちゃんと考えてほしい。

今後の政治の行方については、与野党の政治家たちがこれまで以上に協議していく必要性を強調した。

(岩手めんこいテレビ)

岩手めんこいテレビ
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