宮城県石巻市の海岸に「カキの殻」が大量に漂着し問題となっています。近くの渡波海水浴場は、この夏の開設が見送られる事態となり、市民からは対応を求める声が上がっています。

記者リポート
「石巻市の長浜海岸です。砂浜が広い範囲にわたって真っ白になっています。打ち上げられているのは大量のカキ殻です」

散乱したカキ殻で足の踏み場もない砂浜。

記者リポート
「波打ち際にも打ち上げられて間もなくとみられるカキ殻が確認できます」

こちらの男性は、半年ぶりに仙台市から訪れたといいます。

仙台市から訪れた人
「これは何のごみですか、何のごみというか…」
Q.半年前と比べて?
「こんなにはなかったですね絶対。景観としてはよくはない。目にはついちゃいますよね、やっぱり」

一体なぜ、大量のカキ殻が打ち上げられたのでしょうか。

石巻市の担当者は…。

石巻市観光政策課 内藤昌利課長
「おそらく自然現象だと思う。養殖のカキが風、潮の流れで流れ着いたものなのかなと思います」

カキ殻の漂着が続く中、長浜海岸がエリアに含まれる渡波海水浴場では、今年の海開きが中止となりました。

もともと利用客が減っていたことに加え、「安全を確保できない」と判断したためです。

石巻市観光政策課 内藤昌利課長
「海水浴場を裸足で歩きますので、その際のけがとか心配になります。市営海水浴場として開設するからには安全が第一。安心して泳げる場所であるべきというところで」

渡波海水浴場では、おととしの海開きでも「魚の死がい」が大量に漂着。その影響で去年も海開きは中止となりました。かつては多い年で8000人以上が訪れた人気の海水浴場。市民からはこんな声が聞かれます。

石巻市民
「他の海水浴場ではないですよね。片づけてほしい」
「子供と一緒に泳げない。遊ぶ所が減るのはちょっとショック」

しかし、石巻市はカキ殻は「ごみ」ではなく、流木などと同じ「自然物」だとして、回収は行わないことにしています。

石巻市観光政策課 内藤昌利課長
「市で集めるとなると、それなりに費用もかかりますし、処分にかかる費用も相当なものになると考えると、自然現象で漂着しているものなので様子を見守りたいというのが現段階の状況」

仙台放送
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