参院選の敗北を受けて退陣論が出ている石破首相が注目の会談です。
自民党の麻生最高顧問ら首相経験者3人と会談し、この中で続投に意欲を示しました。
自民党本部から、フジテレビ政治部・木村祐太記者が中継でお伝えします。
首相経験者から退陣を迫られるのではないかという見方も飛び交う中で、自民党本部は緊迫したムードに包まれましたが、会談の終了後、石破首相からは笑みがこぼれる場面もありました。
石破首相:
私の出処進退について話は一切出ていません。
石破首相は麻生最高顧問、菅副総裁、そして岸田前首相との会談の中で、まずアメリカとの関税交渉の報告を行いました。
そのうえで、自民党内で石破首相の退陣論が広がっている現状を念頭に、「党の分裂は何としても避けるべき」との認識が共有され、関係者は首相経験者の3人から退陣の話は出ていないと話しています。
──一部で石破首相が辞意を周辺に伝えたという報道が流れたが、石破首相はこれを完全に否定した形。これは一体どういうことか?
その報道は瞬く間に永田町を駆け巡りました。
しかし我々が取材したところ、官邸や首相の周辺からは「誤報だ」「そうした事実はない」という打ち消しが相次ぎました。
関係者は「首相を早く辞めさせたい議員が思惑を持って情報を流したのだろう」と話しています。
首相周辺は「関税の合意を引き出し、これからも鉄やアルミなどについての交渉が続いていく中で首相は代えられない」と話しています。
また、すでに森山幹事長を中心に水面下で野党幹部との接触も進んでいます。
党内の石破首相への退陣論が収まらない中で、石破政権のもとで野党との連携が成り立つかどうかも政権の行方を大きく左右することになります。
ここからは、フジテレビ・高田圭太政治部長に詳しく聞いていきます。
青井実キャスター:
8月末までに石破首相が退陣を表明するのではという話もありましたが、なぜ進退の話は出なかった?
フジテレビ・高田圭太政治部長:
本当に全く出なかったかというと、そこは正直分からない。少なくとも退陣論が党内にこれだけ広がっているということを前提にした話であったことは間違いないと思います。そのうえで石破首相が最初から日米関税交渉の話をして続投モードの時に、首相経験者の方から辞めろと言ったら、党の分裂につながりかねない話ですので、なかなかそこまでストレートに退陣を迫る話まではできなかったという見方はできるのかもしれません。
青井実キャスター:
1時間半近く話していましたが何を話すんですか?
フジテレビ・高田圭太政治部長:
1時間の予定が1時間半になったんですから、この先、じゃあ仮に石破さんがこのあとやっていくんだったら、どんな枠組みで政権をやっていくんだと。野党側も連立にも応じないような姿勢を示していたり、信頼関係が石破政権とはないみたいなことを言っているからどうするんだという議論は行われた可能性はそれなりにあると思います。
退陣論もある中、このあとどのように対応していくのでしょうか。
今後のスケジュールを見ていきます。
8月1日に「臨時国会召集」という話になっています。
そして8月20日から横浜でTICAD(アフリカ開発会議)の出席を控えています。
さらに9月には国連総会があるということです。
宮司愛海キャスター:
この日程を石破首相のままこなしていくのか、もしくは退陣論が強まれば途中でもやめることになるのか、どうですか?
フジテレビ・高田圭太政治部長:
石破首相としては、終戦・戦争に関して思い入れが強かったり、アフリカ開発会議といった外交への思い入れは強いと。さっき出てきた日米関税交渉はこれから4000品目以上のところについて詰めていくため、そこも石破・赤沢体制でやりたいという思いはあるので、この辺までやりたい思いは強いんだと思います。ただ自民党内で、退陣を強制的に総裁選の前倒しという形でやることもできますので、そこは今後、熾烈な党内抗争になる可能性があって、石破さんの思いどおりにいくかは分からないですね。
青井実キャスター:
パックンは石破首相についてどう見ていますか?
SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
正直、退陣は時間の問題かと思います。大事なのは今回の選挙結果を受けて、自民党がどう変わるのか。方向転換はどちらへ。野党が自民党から離した保守派を取り戻すためには、より保守派のほうに目を向けるのか、保守色を強めるのか、それとも、例えば問題別、法案別で野党と連携して「立法できるぞ」と実行能力をアピールするのか。何がこの先の訴えるポイントなのか。それが首相のまま石破さんが決めてかじを切ることができるか、それとも複数のビジョンを示し合って競い合う、総裁選でその方向性を決めるべきなのか。恐らく僕は後者になるかなと思うんですが、そのうち分かるでしょう。
フジテレビ・高田圭太政治部長:
実際に自民党の保守派はとにかく路線変更したいので、それで辞めさせたいというところはあるんです。石破さんの何とかやっていくじゃなくて、根本から変えたいんだと。そこと、これまでの石破路線は路線自体は間違ってなかったという勢力との、今後、激しい党の再建論争になるのかもしれないですね。