新潟県内各地で猛暑が続く中、コシヒカリの産地として知られる南魚沼市九日町地区の一部の田んぼではある異変が起きていた。今年のコメの出来に影響は…現地を取材した。
猛暑続き…“水不足”で田んぼにひび割れ 葉も変色
「手前はある程度緑だが、真ん中あたりを見ると黄色くなっている。やっぱり水分不足、それが原因」
こう話すのは、新潟県南魚沼市九日町地区全域の農業用水を管理し、自身もコメ農家である南魚沼土地改良区の山田弘さんだ。

この地区では1カ月ほどまとまった雨が降らなかったことで土壌がひび割れてしまったほか、稲の葉が黄色く変色してしまうなどの影響が出ていた。
山田さんは「今この面積で140町歩以上あるが、そこの末端なので、何をしても水は少ない」と話す。
農業用水を九日町地区へと供給する役割を担う全長約15kmの農業用水路『西部幹線』。南魚沼市内を流れる魚野川を水源とし、約600ヘクタールの田んぼに水を供給している。
通常であれば、水位は2mほどあると言うが、少雨の影響でこの日は70cmほどと半分以下の水位に。

さらに、上流にある地区から水を使ってしまうため、下流に位置する九日町地区まで水が行き渡らず水不足が発生しているという。
山田さんは「コシヒカリの一等米を作るのは大変、これからが心配」と声を落とす。
品質の良いコメ供給へ行政もサポート開始
こうした中、南魚沼市も対応に乗り出した。
地下水を溜めてある消雪パイプ用の井戸に仮設ホースをつなげて用水路に水を供給するなど、夏の期間は要望があった行政区や農家組合に対し、支援を行っていくという。

南魚沼市産業振興部の貝瀬好彦農林課長は「農家を行政としてもしっかりサポートして、品質の良いコメを供給できるように対応させていただければ」と話す。
恵みの雨はいつ降るのか。おいしいコメを作ろうと試行錯誤を続ける農家、そして行政が空を見上げる日々が続く。
(NST新潟総合テレビ)