暑い夏の風物詩といえば…「みーんみーん」セミの声。しかし猛暑の中、聞こえてくるはずのにぎやかな「夏の声」にも異変が起きているようだ。

福島県郡山市の麓山公園。午前から日差しが強く厳しい暑さになっていて、この暑さでカモも木陰で休んでいる。本来ならセミが大合唱する時期なのだが、耳を済ませても、鳴き声は聞こえてこない。自然の豊かな公園でこの時期は、あちこちでセミの鳴き声が聞こえてくるはずだが…近くの人は「今年はならないね、なんかね」「ぜんぜん聞こえないですね。セミもいないんじゃないですかね。暑くて」と話す。

田村市のムシムシランドで、昆虫の飼育などを行っている大口宗将(おおぐちまさかず)さんに要因を聞いてみると…「推測にはなってしまうですが、今年はだいぶ暑いっていうのと、あと梅雨に雨が降らなかったっていうのが原因で考えられるかと思います」という。大口さんによると、通常セミが鳴くのは気温が25℃から33℃。それより高くなると、セミも夏バテのような状態になり、あまり鳴かなくなるということだ。

一方、市街地とは違い、朝方や夕方に比較的気温が下がる山間部では、例年どおり鳴いていると見られる。
さらに…ムシムシランドの大口さんは「土の中に水は行き渡らないので、餌である樹液が十分確保できないというのがあります」という。今年は梅雨の時期に雨が少なく、セミの幼虫が地中で十分な栄養をとれなかったり、土が乾燥して硬くなり地上に出られなかった可能性も指摘する。

例年なら7月下旬から響きわたる夏の声。今年はどうなるのか。

福島テレビ
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