自民党本部で21日、石破首相は参院選大敗を謝罪したが、続投を宣言。自民党内からは、石破首相の責任を問う声が噴出し、立憲民主党の野田代表や国民民主党の玉木代表も批判。

一方、自民・鈴木宗男氏は落選を覚悟し引退宣言した後に当選確実となる珍事も起きた。

13議席減らし自民党は39議席に

20日に投開票が行われた参議院議員選挙の結果を踏まえ、石破首相は21日午後、自民党本部で記者会見を開いた。

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石破首相:
私ども自由民主党は、極めて厳しい国民の皆さま方のご審判をいただきました。自由民主党総裁として、心より深くお詫びを申し上げる次第でございます。

改選前から10以上も議席を減らし、自民党は今回39議席となった。一方、大きく議席を伸ばしたのは国民民主党と参政党だ。

与党大敗から一夜が明けた21日、続投の意向を示す石破首相に対しては、身内からも批判の声が上がっている。

続投表明に「国民から見放された人」批判も

参議院議員選挙で過半数割れに追い込まれた与党のリーダー、石破首相は、午後2時から開いた会見で、正式に続投の意思を明らかにした。

石破首相:
政治には一刻の停滞も許されないということでございます。国家・国民の皆さま方に対する責任を果たしていかねばならないと考えております。

その判断を有権者はどう見ているのだろうか?

話を聞いたのは、参院選の投票に行った人に100円引きのクーポンが贈られる、センキョ割キャンペーンを行っている「屋台湾フェス2025」の会場。

立憲民主党に投票した人:
事前からみんな分かっていた結果なのかな。

取材班:
石破首相は続投を表明していますが?

立憲民主党に投票した人:
それはいいと思います。「やめます」は逆に嫌だな。責任持ってやってない方なのかと思う。

自民党を支持する人は、今後への不安を口にした。

自民党に投票した人:
一応希望を込めて自民党に投票したんですけども、心配ですね。この先がすごく心配。

自民党内からも、石破首相の続投に批判の声が上がっている。

「ひめゆりの塔」の説明について「歴史の書き換え」などと発言し、物議を醸した西田昌司氏は吹き荒れる逆風の中、京都選挙区で4回目の当選を果たした。

京都市で21日午前11時頃、西田昌司氏は次のように話した。

自民党・西田昌司氏:
僕は、もう一度、筋から考えて首相には責任を取られるべきだし、新しい総裁を選ばなければならない。国民から見放された人が、次々モノを言っても信頼性がないわけですよ。

野党もしかり。改選22議席の維持にとどまった立憲民主党の野田代表は午後3時半頃、石破首相が物価高対策や自然災害への対応などを理由に続投を表明したことに、疑問を呈した。

立憲民主党・野田佳彦代表:
率直な感想は、ダラダラとした政治をいつまで続ける気なのか。(続投理由が)総選挙(衆院選)の敗戦の弁とほとんど同じなんですよね。衆院選・都議選と敗れて、参院選で敗れたことについての意味合いがまだよくわかっていないのではないか。

改選4議席から17議席へと躍進した国民民主党、そのリーダーである玉木代表は21日午後5時過ぎ、イット!に出演し、たとえ石破首相が続投しても今後の政権運営には協力できないとの考えを示した。

国民民主党・玉木雄一郎代表:
今の自公とは話はしようと思いますが、期待がほとんどできない。我々としては、石破政権は信頼できないという評価になっています。さらに何かできるような期待もない。

鈴木宗男氏が引退宣言後に当選確実に

波乱のもととなった今回の選挙では、予想外の展開に直面した大物がいる。

23年ぶりに自民党に復党し、比例代表で立候補した鈴木宗男氏だ。落選を覚悟し、21日午前5時頃に会見を開き、「選挙には出ない。終止符だ」と政界引退を宣言した。

ところが、数時間後に当選確実となり、正午過ぎに札幌市で一転、喜びの会見を開いた。

自民党・鈴木宗男氏:
いちるの望みを持ってましたけども、客観的に見てもなかなか良い結果を得るのは難しいと思ってましたから、皆さま方を待たせてはいけないと思って会見をさせていただきましたが、今振り返って、目に見えない力によって生かされたと。また国政に戻ることができたと思っております。イレギュラーなことですけど、2回目の会見といたします。ありがとうございました。
(「イット!」7月21日放送より)

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