冬の新たな定番として、鶏肉を使った「鶏すき焼き」への注目が高まっている。老舗すき焼き店では名物の鳥すき焼きが若年層にも人気で、定食チェーンでも新メニューとして展開されている。その安さとヘルシーさから、家庭で作る人も増加しており、すき焼き用カットの鶏むね肉の販売をしているスーパーもある。
ヘルシーで安価な鶏すき焼きが人気に
日ごとに寒さが増し、ほっかほかのお鍋が恋しくなるこの時期に注目度が上がりつつあるのが、鶏肉を使った鶏すき焼きだ。

鶏すき焼きを食べた客からは「すごいです。歯ごたえが」「ヘルシーだからいいですよね」「あっさりしてるかも。牛肉よりたくさん食べられる気がする」「これはおいしいです、本当に」「年のせいもあるかも分からないけど、やっぱり牛の脂がだんだんこたえてくるので、鳥の方が食べやすいかな」といった声が聞かれた。
東京・千代田区神田で、明治時代から店を構える創業120年以上の老舗すき焼き店「ぼたん」。
名物の「鳥すきやき」は、炭の入った火鉢と鉄鍋で千葉県産ブランド鶏のもも、むね、レバーなどをじっくりと煮込む一品だ。鍋のしめには、秘伝の割り下を使った親子丼も楽しめる。

店主は、ランチ営業を開始してから若い世代の客も増えてきたと話す。
鳥すきやき「ぼたん」5代目・城一泰貴店主:
最近は日中、土曜日のお昼間は結構若い方が多いですね。

定番の牛肉ではなく、鶏肉を使った鶏すき焼きだ。定食チェーン大手の「大戸屋」では「月見 鶏すき焼き重」として販売している。
甘辛の特製だれでじっくり煮込んだ鶏肉に白菜など、すき焼きの定番具材を合わせた、2025年4月からの新メニューだ。

鶏すき焼きは家庭で作る人も増えていて、埼玉・川口市のスーパー「コモディイイダ東川口店」では、すき焼き用にカットされた鶏肉を1日から販売している。
取材班:
お肉コーナーにズラッとお肉が並んでいるんですが、ありました。すき焼き用の鶏肉です。
このスーパーでは、すき焼き用の国産牛ロースうす切りが100gで税込み約950円。オーストラリア産の牛肉でも税込み約430円となっている。
これに対し、鶏すき焼き用のむね肉はカットしている分、通常のむね肉より割高だが、100gで税込み約150円のお手頃価格だ。

売り上げは、販売開始から日を追うごとにアップしているという。
コモディイイダSV統括部長・大塩隆一さん:
ご家庭の一つのお料理アイテムとして、ちょっとすき焼き食べたいなという時に牛肉に代わって鳥のすき焼きも「この間おいしかったね」ということでリピートにつながればと思います。
鶏すき焼きを美味しく調理するコツ
安さとおいしさに加え、健康面での需要もあるようだ。

すき焼き用のカット肉が手に入らない場合は、どのように調理すればいいのか。老舗すき焼き店「ぼたん」の店主に鶏肉カットのコツを聞いた。

鳥すきやき「ぼたん」5代目・城一泰貴店主:
できるだけ薄く切るというのと、煮るときに強火でガンガン炊いてもらって、煮えたらすぐに食べる感じです。

使う鶏肉は、「もも」でも「むね」でも火が通りやすく、また割り下の味をしみこみやすくするため、薄めに切ることがポイント。それにより煮込む時間が短くなり、肉が固くなりにくいという。
鳥すきやき「ぼたん」5代目・城一泰貴店主:
強火でガーッと炊いて、すぐ食べる状態までもっていくのがいいと思います。
鶏すき焼きが新たな冬の定番となるかもしれない。
(「イット!」12月16日放送より)
