今週日曜日、20日に投開票が迫った参院選についてお伝えします。
改選1の鹿児島選挙区には立憲民主党の推薦を受ける無所属の新人、尾辻朋実さん、参政党の新人、牧野俊一さん、自民党の元職、園田修光さん、NHK党の新人、山本貴平さんの、元職と新人あわせて4人が立候補しています。
18日はこの鹿児島選挙区の終盤情勢について、担当する安楽記者とお伝えします。よろしくお願いします。
選挙戦も最終盤となってきましたが、各候補の動きはいかがですか?
選挙戦はますます熱を帯びていて、特に舌戦を展開しているのが事実上の与野党対決となった尾辻さんと園田さんの戦いです。
尾辻さんは無所属ですが、推薦する立憲民主党の大物が続々と応援に駆けつけています。
先週末、事務所に激励に訪れた小沢一郎衆議院議員は「自民党の絶対の地盤と言われた鹿児島も崩れつつある」と、手応えをにじませました。
また、出水市で開かれた尾辻さんの個人演説会では岡田克也常任顧問がマイクを握りました。
立憲民主党・岡田克也常任顧問
「本当に大変なことになっているという認識が自民党には足りない。そういう自民党を変えていこうではないか」
尾辻さんはこれまで同様に自民党現職の父、尾辻秀久議員が貫いた、弱い人に寄り添う政治が本当の政治だと訴えた上で、「地方を疲弊させた政治を今こそ変えよう」と支持を呼びかけています。
また、各社の情勢調査では尾辻さんのリードが伝えられていますが、尾辻さんは園田さんを念頭に「やっと相手の背中が見えてきた」と気を引き締めていました。
一方、追う状況となっている園田さん。
自民党は巻き返しを図ろうと幹部らを続々と送り込んでいます。
自民党・森山裕幹事長
「園田さんの選挙が大変気になったので、何としても皆さんに直接お目にかかって、今回の選挙は何が問われている選挙なのかをしっかりご理解いただこうと思って帰ってきた」
16日には自民党の森山幹事長と共に霧島や大隅10カ所以上で演説するなど地盤固めを図りました。
森山幹事長は「消費税を減税するなら社会保障のお金をどこから持ってくるのか、地方の財源を削るかの選択が必要だがその議論がまったくない」と野党を批判しました。
さらに、きのうは小渕優子組織運動本部長も応援に駆けつけ、北薩方面を1日かけて回りました。
園田さんは「無所属で国会で意見が通るところなんてどこにもない」と、終盤に入りこれまで以上に尾辻さんへの批判を強めています。
まさしく舌戦が展開されているわけですが、その一方で全国的に支持が拡大する参政党の牧野さんの勢いも気になるところですね?
はい。参政党に吹く追い風に乗って牧野さんも支持を拡大しています。この勢いを感じさせる出来事が先週末ありました。
参政党・神谷宗幣代表
「国民が怒っていると、今の政治に不満を持っていると、政府にぶつけないとダメ」
参政党の神谷宗幣代表が牧野さんの応援に駆けつけました。
実は神谷代表は公示1カ月前にも鹿児島に応援に来ていて、その時の聴衆はまばらだったんですが、先週末にはJR鹿児島中央駅前を埋め尽くすほどになっていました。
そして、集まった1000人以上の聴衆に対して神谷代表は「他の政党を応援している人ではなく、いつも投票に行っていない人たちに面白い政党があると広めてほしい」と無党派層への支持拡大を訴えました。
牧野さんは「終盤になるにつれて手を振り返す人が増えてきている実感がある」と手応えを口にしていて、これまで力を入れてきたSNSに加え、口コミでも支持を拡大したいとしています。
そして、参政党を支持するのは保守層とされているだけに、園田さんは終盤になってから「日本人ファーストは当たり前のことだ」と参政党をけん制するようになっています。
一方、NHK党の山本さんは鹿児島での活動はなく苦戦しています。
気になる投票率はいかがでしょうか?
鹿児島の参院選も投票率は減少傾向にあり、前回と前々回は50%を下回っています。
今回は投票日が連休中日のためさらなる投票率の低下も懸念されていますが、期日前投票は各役場や商業施設などでもできますし、入場券がなくても運転免許証などで本人確認ができれば投票することができます。
今回の参院選は物価高対策など生活に密着した論戦も多く交わされています。
皆さんにとっての大切な政策は何なのか、各候補や政党の意見を見比べて貴重な一票を投じてほしいと思います。
フジテレビ系列では、20日の参院選投票日、特別番組で開票速報や与野党幹部の反応などを放送し、KTSのスタジオからも鹿児島選挙区についてお伝えします。
また、20日はKTSホームページの参院選特設サイトでも随時、開票速報などをお伝えします。是非、ご覧ください。