学歴詐称問題をめぐり、市議会の百条委員会から“卒業証書”とされる資料を提出するよう求められていた伊東市の田久保眞紀 市長は期限となる7月18日夕方、中島弘道 議長などと面会し請求を拒否しました。

伊東市の田久保眞紀 市長は市の広報誌や報道機関に提出した経歴調査票に「東洋大学法学部卒業」と記載する一方、実際には除籍されていたことがわかっています。

ただ、田久保市長は“卒業証書”を市の職員などに見せていたことから、地方自治法に基づき設置された市議会の百条委員会は田久保市長に対して“卒業証書”とされる資料を7月18日午後4時までに提出するよう請求していましたが、田久保市長は同日夕方、中島議長などと面会し、“資料”の提出を拒否する旨を記した“回答書”を手渡しました。

田久保市長が提出した回答書の全文(原文ママ)は以下の通りです。

記録提出請求に対する回答書

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、令和7年7月11付でご請求のありました記録の提出につきまして、下記の通り回答いたします。

1.提出の拒否について

ご請求のありました「秘書広報課長が確認した市長の卒業証書とされている書類」につきましては、その提出を拒否いたします。

2.拒否の理由について

私は現在、公職選挙法違反で刑事告発をされていることから、本件記録の提出請求は、私自身の刑事訴追につながる可能性のある事項に関するものと言えます。よって、提出の拒否は、日本国憲法第38条第1項に保障された、自己に不利益な供述を強要されない権利に基づくものであり、地方自治法第100条第3項にいう「正当な理由」に該当いたします。

また、ご請求の書類を含む本件に関する一切の資料は、今後の法的な手続きに備えるため、顧問弁護士の一人に委託し、その厳格な管理下にあります。弁護士は弁護士法第23条に定める守秘義務、地方自治法第100条2項が準用する民事訴訟法第197条2項の規定による供述拒否権、および刑事訴訟法第105条の趣旨に基づく押収拒絶権を有するものと解しております。

したがいまして、私個人の憲法上の権利、および弁護士に保障された法的権利と義務の両面から、ご請求に応じることはできません。

本委員会の調査の重要性は理解しております。しかし、いかなる調査権も、憲法及び法律が保障する個人の基本的な権利を侵害することは許されないものと考えます。何卒、ご理解いただけますようお願い申し上げます。

敬具

テレビ静岡
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