3日後に迫った参議院選挙、関西の注目選挙区だ。
激戦が繰り広げられている兵庫で、気になる「物価高対策」を候補者に直撃。
口々に語ったのは、「減税」だった。
一体どの税を下げて、財源はどう考えているのだろうか。

■FNNが実施した情勢調査 泉房穂さんがやや優勢
過去最多タイの13人が立候補した兵庫。争う議席は3つ。
FNNが実施した情勢調査によると、無所属・新人で前明石市長の泉房穂さん(61)がやや優勢。
そのあとを自民党・現職の加田裕之さん(55)、公明党・現職の高橋光男さん(48)、そして参政党・新人の藤原誠也さん(37)が追う展開に。
有権者はどのように候補を選べばいいのか…。
関西テレビは、有権者が関心をよせる「物価高」に着目して徹底取材!
泉房穂候補:これ以上国民から税金取る必要ありません!
混迷を極める兵庫選挙区を解説する。

■兵庫の候補者たち口をそろえて「減税」を公約に
今回の参院選の主な争点となる物価高。
ところでいま、食料品の値段はどれくらいなのか。
記者リポート:神戸市内のスーパーにやってきました。きょうの晩ご飯のカレーライスの食材を買います。
にんじんに、じゃがいも、玉ねぎ、お肉、そしてルー。お会計は…。
記者リポート:まとめて3150円(12食分)。米代と合わせて1食およそ430円となりました。
これは民間の調査会社が行った、物価高の食卓への影響を表す「カレーライス物価指数」。
ことし5月には1食あたり441円となっていて、去年からは118円の増加。増加額は、ここ10年で最大だというのだ。
この物価高に、兵庫の候補者たちはどう立ち向かうのか。
演説を聞いてみると…「減税、減税、減税、減税」
みなが口をそろえて、「減税」を公約に!投票する人をどう選べば…?
「減税」政策に込めた候補者それぞれの狙いを深堀りする。

■減税の財源は…
無所属・新人 泉房穂候補:い~ず~み~!いずみふさほで~す!
前明石市長の泉房穂さん(61)。
「生活と地域」をモットーに各地を歩く泉さんは、「国民が使えるお金を増やしたい」と、減税政策に力を入れる。
(Q.なんの減税をするんですか?)
無所属・新人 泉房穂候補:消費税は当然!ガソリン税もやし、所得税もやし。高すぎます、税金が。消費税は色んな方法があります。今のような10%、8%じゃなくて、もっと下げられます。食料品だけ限定する方法もあります。そこは大同団結。
(Q.どこに財源がある?)
無所属・新人 泉房穂候補:お金なんか、どこに使うかが政治じゃないですか。お金は無いわけじゃないんです!お金はあるんです!財源論っていう言い方じゃなくて、お金の使い道を変えればいいんです!

■トップは“後ろ向き”…
2度目の当選を目指す、自民・現職の加田裕之さん(55)。
地元新聞社の関連会社で勤務していたころ、阪神・淡路大震災の取材を経験。防災庁の兵庫への誘致など「災害対策」を訴える。
物価高には現金の給付が有効としているが、必要に応じて減税もしていく考えだ。
自民・現職 加田裕之候補:『政策フル動員』です。自民党では給付と言ってます。それで効果があればいいが、私は効果が弱いと思います。食料品にかかる消費減税、所得税の減税も検討しています。一言で物価高と言っても、色んな要因があるので、ターゲットを決めた政策をやらないと効果がありません。だから『政策をフル動員』してやっていき、物価高をおさめていく。
しかし、この「減税」…自民党の公約には入っていない。
石破茂総裁:医療であり、年金であり、介護であり、子育てであり、そのための貴重な財源、それが消費税です。その財源を傷つけるようなことがあってはならない。
(Q.党の公約に減税はないが、なぜ実現できる?)
自民・現職 加田裕之候補:(自民党が)政策転換した例は、過去にたくさんありますので、県内の皆さんの声も聞いているので、声を聞いた上でしっかりとものを言っていく。

■“連立”の中で「恒久減税を」
公明党・現職の高橋光男さん(48)。国会では「備蓄米の活用」などを訴え続けてきた。
高橋光男候補のYouTubeより:お米を届ける!
物価高には減税が必要で、それまでのつなぎで現金を給付することを考えています。
公明・現職 高橋光男候補:(消費税が)今は8%ですけど、恒久的に5%まで引き下げていく。(消費税減税)いくら早くても来年の秋です。減税するまでのつなぎの給付が必要だと思っておりまして、税の増収分を活用して、皆さまにお返しをする、還元するかたちでやるのが、私は責任ある給付だと思っています。

■大幅“負担減”でその後は…
兵庫でも当選圏争いに名乗りを上げた参政党。
参政・新人 藤原誠也候補:実は政治に全く興味がなくて、3年前まで投票に行かないぐらい無関心だったんです。
新人で建築事務所代表の藤原誠也さん(37)。
掲げるのは食料自給率100%など、「日本人ファースト」な政治。
物価高に対しては「消費税の廃止」に加えて、税金と社会保険料をあわせた「国民負担率」の上限を設ける必要性を訴える。
参政・新人 藤原誠也候補:消費税を下げたところで、他の税率があがるとか、税金増えるとか、社会保険料が上がると意味がないので、全体の国民負担率を下げる。物価高対策でもあるし、経済対策にもなる。
一方で、国民の負担を下げることで財源が減り、医療や介護などのサービスの低下などが懸念されることについては…。
参政・新人 藤原誠也候補:経済が循環すれば、税収も自然に回復すると思いますし、新しい発想の転換。無駄も省かないといけないし、医療費も削減できるところも多くあると思う。無駄をなくす、適材適所で使うのが大前提。

■“食料品減税”の先は…
日本維新の会・新人の吉平敏孝さん(44)は、小学生の2人の息子を育てるシングルファーザー。
維新・新人 吉平敏孝候補:(息子とテレビ電話)どうしたの?きょうもう勉強した?
子供が熱を出しても働ける環境の整備や、「社会保険料の値下げ」を訴える。減税については…。
維新・新人 吉平敏孝候補:『食品消費税0、2年間』を物価高対策として掲げていきます。一律消費税を下げようとすると、例えば5%まで下げようとすると、年間15兆円予算がいるんですね。でも、食品消費税0%であれば、3分の1の財源、年間4兆円から5兆円で実現が可能。2年間あれば、4兆円5兆円、皆さんが消費できるお金が増えますので、経済を活性化させて、経済成長につなげていく。

■”景気回復目的“で減税
国民民主党・新人の多田ひとみさん(45)。
公認会計士試験に合格し、監査法人で働いてきた。物価高対策として、「消費税の5%への引き下げ」と「所得税減税」を訴える。
国民・新人 多田ひとみ候補:しっかりと個人消費を増やすための手取りを増やす、所得税の減税。購買意欲を刺激させるための消費税の減税です。『景気を良くするための目的の減税』が私のポイントだと思います。

■「消費税廃止」訴え
れいわ新選組・新人の米村明美さん(66)は「消費税の廃止」を訴える。
れいわ・新人 米村明美候補:今困っている人を助けるために、消費税の廃止をします。それによって失われた30年の景気を取り戻します。

■「消費税引き下げ」訴え
共産党・新人の金田峰生さん(59)は「消費税の一律5%への引き下げ」と、「インボイス制度の廃止」を訴える。
共産・新人 金田峰生候補:(減税の財源は)もとはといえば、皆さんが額に汗して、作り出した富です。今こそ社会に還流してもらいましょう。

■そのほかの候補者の物価高対策
そのほかの候補者はご覧の物価高対策を掲げている。
諸派・元 立花孝志候補:消費税率5%、インボイス制度の廃止
社民・新人 来住文男候補:食料品消費税0%
諸派・新人 前田実咲候補:現役世代の手取り増
諸派・新人 浦木健吾候補:消費税0%
諸派・新人 高橋秀彰候補:消費税減税
私たちの生活を良くするのは、いったい誰なのか。
兵庫から国会へ。私たちの1票が未来を変えていく!
(関西テレビ「newsランナー」2025年7月17日放送)

参院選・兵庫選挙区には13人が立候補している。
立候補しているうち、まず7名はこちらの写真のみなさんだ。 (届け出順)

立候補しているうち、残る6人はこちらの写真のみなさんだ。 (届け出順)
