沖縄県内で基地周辺の河川などから高い濃度で検出されている有機フッ素化合物PFASについてです。
PFASの血中濃度が高いと心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる可能性があるという初の臨床的な研究結果が示されました。

沖縄京都PFAS研究チームは、2021年9月から2022年4月にかけて県内にあるクリニックの外来患者399人の血液検査を基に、PFASの血中濃度と高血圧などの関連を調べました。

国際医学誌に7月7日付で掲載された研究結果では、PFASの血中濃度の高さは善玉コレステロールの低下と統計的に有意な関連を示したとして、このためPFASの血中濃度が高いと、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが上昇する可能性を示唆していると報告しています。

また、血中平均濃度の結果は、PFOAとPFOS、それにPFHxSのいずれも国内平均を上回り、特にPFHxSは国内平均の約30倍に達していたことが判明しました。

アメリカ科学アカデミーのガイドラインでは、PFASの血中濃度が合計2ng/mLを超える場合、健康リスクが懸念されるとしていますが、今回の対象者全員がこの基準を超えていました。

研究チームの徳田安春医師は沖縄テレビの取材に対し「ハイリスクの人々が4割いることも分かった。国は沖縄の環境中のPFAS測定だけでなく、住民の血中濃度の測定も行うべき」だと話しています。

今回の研究は県民を対象にPFASの健康影響を検討した初の臨床的な研究です。

研究チームでは現在PFOSとPFOAのみを対象にしている水質規制は不十分で、PFHxSも新たに規制対象にすべきだと指摘し、国による定期的な血液検査や、血中濃度の指標の策定が急務と提言しています。

沖縄テレビ
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