千葉・船橋市の水路に無許可で放置された、「不法係留船」があふれて、“船の墓場”と化している問題。

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朽ちた船にたまったごみによる悪臭や、豪雨や台風で一部が流されるなど、様々な問題で周辺住民を悩ませてきましたが、ついに7月16日に、県による行政執行が行われました。

今回撤去されるのは、放置された船17隻と、不法に建てられた桟橋やくいなど、24カ所。期間は1カ月ほどかかると言います。
撤去にかかる費用は、約7300万円。大半が税金によって賄われることになります。

なぜ、ただの水路が“船の墓場”と呼ばれるまでの状態になってしまったのか?
「サン!シャイン」は水路周辺を取材し、「不法行為に携わった」という人物にたどり着きました。

釣り船や屋形船が放置「逃げちゃった」

船橋市の住宅が建ち並ぶエリアになる「日の出水路」。
約1kmの水路に、104隻もの不法に放置された船が浮かんでいます。

水路には船だけでなく、不法に作られた崩れかけの桟橋やくいなどの工作物も置かれています。

近隣住民:
あれ結構いいヨットなんですけど、係留したままになっているから、だんだん水入っちゃってきて沈んじゃったんですよね。

近隣住民:
(船の処理に対して)無責任なやつ多いんだよね、だんだん崩れてきたり船が沈没しかかったり…あんなのごみの山だもんな。

水路の中でボロボロに朽ちた船にはごみがたまり、周辺には悪臭が…。
さらに、周辺住民は台風や豪雨で水路の水かさが上がる度に、「船が住宅まで流されてくるのではないか」という恐怖にさらされています。

地元に20年以上住んでいるという男性に、なぜこのような状態になってしまったのか話を聞いてみると…。

20年以上住んでいる男性:
釣り船屋さんが、船沈めてどっかいっちゃったんですよね。屋形船も沈めていますから。船を処分するのにお金かかるから、沈めていっちゃったんだって、私は思っているけどね。
あのまま逃げちゃった。

不法に放置された船の中には、釣り船や屋形船などの業者が古くなった船を処分せず放置したケースがあるのだといいます。

さらに、「サン!シャイン」が取材したのは、この水路に「不法にくいを立てた」と話す人物です。30年前に商売のため、船を着けるくいを立てたといいます。

30年前に不法にくいを立てた人:
船を着けやすくするため…岩場の端にくいを数本、立てました。

「不法だという認識はあったのか」という質問については答えてくれませんでしたが、その後も県に許可をとらず、使い続けていたといいます。

30年前に不法にくいを立てた人:
今回の撤去については受け入れるつもりです。もうここでの商売は続けられないかな…。

長年、周辺住民を悩ませてきた「不法係留船」の問題。果たして、今回の行政代執行により、解決に向かって歩み出すことはできるのでしょうか。
(「サン!シャイン」 2025年7月17日放送)