暑さとともに本格的な海水浴シーズンがやってきます。海で溺れた人などを救助する訓練が15日、秋田県由利本荘市で開かれました。参加したのは漁師たち。豊富な海の知識と経験を生かし、万が一の対応を確認しました。
訓練には、海で事故が起きた際にいち早く人命救助にあたるボランティア団体「救難所」のメンバーが参加しました。本業は地域の海を知り尽くした漁師。いざという時は海上保安部の要請を受けて救助に向かいます。
15日は海の上に浮かべられた旗が横倒しになるほど強い風が吹き、決して良いコンディションとはいえない中、訓練に臨みました。
最初は心肺蘇生法です。海で溺れ、意識がなく呼吸していない人を救うために欠かせない応急処置です。
また、専用の発射器を使って100メートル先の目標に向かってロープを投げ込む訓練も行われました。ロープは溺れた人がつかむ“命綱”となります。
準備の素早さや道具を正確に取り扱っているかも重要です。
参加者は強い風に苦戦しながらも、日頃磨いた技術を披露していました。
参加者は「人が危ない状況になったら人命を最優先に、何も考えずに漁師は出ていくと思うので、その時は臨機応変に対応したい」と話していました。
15日は、海上保安部と消防、救難所が合同で炎上した漁船の消火や県の防災ヘリ「なまはげ」での救助の訓練に臨み、それぞれがいざという時の連携を確認していました。
なお、7~8月が強化月間となっている「青い羽根募金」は、救助の道具の購入費など救難所の活動に役立てられているということで、訓練を主催した県水難救済会では募金への協力を呼びかけています。