芸術・文化の分野ですぐれた功績を挙げた人に贈られる、第36回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者が発表されました。
受賞者の発表は東京、パリなど世界6都市で行われ、絵画、彫刻、建築など5つの部門で5人の受賞が決まりました。
また、若手芸術家奨励制度の対象団体には、イギリスのナショナル・ユース・シアターが選ばれ、ロンドンで行われた発表式典ではパフォーマンスが披露されました。
式典には、最後の香港総督を務めたパッテン元オックスフォード大学総長や、映画「クィーン」でアカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンさんらも出席しました。
「ナショナル・ユース・シアター」卒業生 ヘレン・ミレンさん:
特に日本のような国からの国際的評価は、非常に重要な意味を持ちます。
受賞が決まった人の業績は以下の通りです。
絵画部門は画家のピーター・ドイグさんです。
作品は、さまざまな国で暮らした経験や写真や映画のイメージ、過去の記憶をもとに描かれています。
常に新たな技法を取り入れることで、年代ごとに異なる作風を生み出しています。
彫刻部門は、「パフォーマンス・アート」の先駆者、マリーナ・アブラモヴィッチさんです。
自身の身体を用いて、肉体と精神の限界に挑み、観客と共にその場で作品を作り上げます。
日本の古民家を改修した宿泊体験型の作品では、宿泊客の夢もアートになります。
建築部門は、ポルトガルの建築界を代表するエドゥアルド・ソウト・デ・モウラさんです。
採石場の跡地に建てた岩壁と隣り合わせの競技場は世界的にも注目されました。
現地の素材を活かすスタイルで、プリツカー賞を受賞しています。
音楽部門は、ピアニストのアンドラーシュ・シフさんです。
ピアニストとして演奏する傍ら、自身のオーケストラを設立。
ピアノを弾きながらオーケストラを指揮する「弾き振り」にも取り組んでいます。
演劇・映像部門は、振付家でダンサーのアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルさんです。
1980年代以降のコンテンポラリー・ダンス界を牽引。
歩きや回転などの動きを起点とした振り付けで独自のスタイルを確立しました。
若手芸術家奨励制度には、イギリスのナショナル・ユース・シアターが選ばれました。
2026年で70周年を迎える劇団で、世界的に有名な俳優も送り出してきました。
誰にでも開かれた場所であることを重視し、毎年、多様性のある若者が集います。