ドクタージェットを普及させたい
患者を模した人形が運び込まれるのは、小型のジェット機です。

松永英幸さん(44):
僕たちは患者さんの頭に近いところに座って対応をして、もう一人ドクターがいる場合は、医療器具やモニターを注視します

これは、重症の子どもを治療しながら搬送する「ドクタージェット」。
去年から、国内での運用が始まりました。

そのドクタージェットで搬送を行うのは、救急医の松永英幸(まつなが・ひでゆき)さんです。
松永英幸さん(44):
ヘリよりも、より遠方の患者様にアプローチができる。あとはある程度、機体の安定性も高く、今後救える命が増えていくのではないかなと思います。
ドクターヘリと比較すると、速度はおよそ3倍。飛行距離も20倍ほど。夜間や悪天候でも飛ぶことができます。

松永さんらがこのドクタージェットを普及させたいという思いの背景にあるのは、「高度医療の地域格差」です。
松永英幸さん(44):
小児の重症で緊急度の高い患者様をどうしてもすぐに高次医療機関にアプローチできない地域が出てきてしまっています。ドクタージェットで格差をなくしていけるようにできたらいいかなと思います。
都市部に集中する「小児集中治療室(PICU)」
都市部を中心に全国38カ所ある「小児集中治療室(PICU)」。

地方に住む子どもが重症化した場合は、都市部の病院に迅速に搬送しなければなりません。
“どこからでも 安全により早く”。

それが子ども達の命を救うことに繋がると、松永さんたちは、空を飛び続けているのです。
松永英幸さん(44):
ドクタージェットはまだ知名度が低く、そもそも搬送の選択肢に上がっていない。ドクタージェットを搬送の選択肢の一つとして、小児の患者さんの命を一人でも救っていけるように続けていけたらいいなと思います。

子どもたちが平等に医療を受けられますように。
1人でも多くの命を救うために松永さんの活動はあすも続きます。
(イット!5月26日放送より)