北海道にある秘湯を楽しめる温泉旅館。
その温泉の源泉を何者かが勝手に使い、闇露天風呂が作られる被害が起きました。

北海道の蘭越町にあるニセコ五色温泉旅館。
標高約750メートルに位置し、大自然を眺めながら肌に優しい硫黄泉を楽しめる人気の温泉宿です。

その温泉の源といえる源泉が流れる場所を案内してもらうと、ある異変が起きていました。

ニセコ五色温泉旅館・佐藤直樹さん:
石が人工的に並べられてる。くぼみになってるところとか、お風呂が掘られてるのが見つかった。

本来は、川のように温泉が流れている場所。
そこにできた、不自然なくぼみ。

何者かが源泉付近に侵入し、お湯を石でせき止め勝手に露天風呂を作っていたのです。

異変に気が付いたのは7月1日ごろ。
旅館に供給される湯の量が減っていたため200メートルほど離れた源泉付近を確認したところ、複数の闇露天風呂を見つけたということです。

流れをせき止められて作られた露天風呂の周辺には椅子のために使っていたのか木の板が置かれているほか、さらには、たばこの吸い殻まで放置されています。

他にもバスマットが敷かれていたり水をくむのに使ったのか、おけのようなものが残されています。

お湯がせき止められたことで旅館へ供給される量が減り、温泉1つが休業を余儀なくされる事態に。

その一方で、源泉は80度近い温度のためそのままの温度で入ることはできません。

温度を下げるのに巧妙な手口が使われていました。

ニセコ五色温泉旅館・佐藤直樹さん:
ここに黒いホースが見えると思うが、ここから水が出てて、源泉に入っているように設置されてた。熱いお湯を冷たい水で冷やして、ちょうどいい温度にして、入るために使っていると思う。

上流に流れる冷たい温泉をホースで流し、温度調整をしていたというのです。

ニセコ五色温泉旅館・佐藤直樹さん:
おそらく複数人でやっていると思う。1人だと作業として大変なので。

旅館側は被害届の提出を検討しているということです。