日本列島ではまだ梅雨明けしていない地域があるものの、まもなく台風シーズンに入るが、その発生場所と動きに注意が必要だ。今年の台風について、村田光広気象予報士が解説する。

特徴1:日本近海で発生する傾向
まず、今年の台風は「日本の近くで発生する」傾向がある。発生場所が日本に近いということは、接近までの期間が短いということになる。
インド洋から大陸に向かって吹くモンスーンという季節風は、ヒマラヤ山脈にぶつかると、向きを東に変えてフィリピン近海へと流れて行く。一方で、熱帯の南の海上には偏東風といって東から吹く風が存在する。
こうしてモンスーンと偏東風がぶつかる所では半時計周りの渦が発生するため、台風が発生するのだ。今年は、この風がぶつかる場所が例年よりも北にある。
なぜなのか…
モンスーンの発生や活動については、南の海面水温や上空の風の流れとの関係など複雑な要因があり、解明されていないことが多い。だだ、モンスーンは活動が活発になると北に流れる傾向があり、今年がまさにその状況に当たる。
また、偏東風は南にある高気圧と関係があり、高気圧の張り出しの位置から、今年は例年より北にある。

特徴2:台風の動きが“遅い”傾向
台風は、日本列島に近づくと上空の偏西風に乗って北上するが、今年は例年に比べて偏西風が北の位置にあるため、台風が偏西風に乗れず、日本付近で動きが遅くなる傾向がある。
つまり、台風の影響が長引く可能性がある。

台風シーズンに向けて、早めの対策が取れるようにしておこう。