例年、海上での花火大会の前後に多発するのが船の事故です。
夜の海に潜む危険を取材しました。

多くの観客を魅了する花火大会…。
今年も夜空に大輪の花が咲くシーズンを迎えようとしていますが…。

【広島海上保安部・清水裕士警備救難課長】
「(花火大会の)帰りがけにカキいかだに乗り揚げたりワイヤーに絡んでしまう事故が例年起きているので…」

広島海上保安部が特に警戒を強めるのが「夜」の船舶事故です。
過去20年に第六管区内で起きた花火大会に関連する船舶事故数は全国トップ。
”由々しき状況”にあります。

そこで…。

【鈴木ディレクター】
「これから巡視艇に乗って夜の海の危険を探りたいと思います」。

県内の海には特産のカキ養殖に欠かせない「いかだ」が、およそ1万台設置されていて広島港周辺にも多く点在しています。

「ピンク」のエリアが「カキいかだ」のある場所。
緑と赤の星印は過去5年間に「いかだ」への衝突や、乗り揚げ事故があった場所を示しています。

【鈴木ディレクター】
「現在時速40キロほどで走っているが通常プレジャーボートはこれくらい速度が出るということで、この速度のままカキいかだにぶつかると大きな事故につながるなというのが非常によくわかります」

そして、日没を迎え辺りが暗くなると…。

【鈴木ディレクター】
「一層暗くなってきて、このようにカキいかだの様子はしっかり目を凝らしてみないと分からない状況です。小さな光はついていますが、その中にいくつものカキいかだがあるというのは、しっかり想像膨らませないとわからないですね」

【広島海上保安部・清水裕士警備救難課長】
「いかだのライトが後ろの街明かりと被ってしまうと識別できる人はなかなかいない。そうしてみなさんカキいかだに乗りあげてしまう」

今月26日には「広島港1万トンバース」で花火大会が予定されています。
去年は350隻以上が集まり、非常に危険な状態になったといいます。

【広島海上保安部・清水裕士警備救難課長】
「花火大会が終わった後に皆さん一斉に帰られるので、大混雑した中で操船した場合(カキいかだの場所を)見落とすリスクはある」

広島海上保安部は見張りを配置するなどして事故を防ぐとともに酒を飲んで船を操縦することがないよう呼びかけています。

【記者の目:鈴木ディレクター】
広島県はプレジャーボートの登録隻数が全国で一番多いということなんです。
普段は、日中に使う人が多いため夜間航行が不慣れな状態で花火大会に行き、事故を起こすというケースが多いようです。

また、瀬戸内海はそもそも狭い海域に行き交う船が多いため、第六管区内は全国でも一番事故が多いエリアだということです。

テレビ新広島
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