「凄腕トレーダー」などと言って嘘の投資話で現金をだまし取った疑いで、男女3人が逮捕されました。
これまでに3億円相当を集めていたとみられますが、その巧妙な手口を被害者が明かしました。
笑みを浮かべながら歩く男。
詐欺の疑いで逮捕された、自称個人投資家の川崎誠こと渡辺雄介容疑者(40)と元大手証券会社の勤務経験がある井戸雅栄容疑者(49)。
そしてもう1人、水野亜紀容疑者(49)の3人です。
3人は「月利が15%から70%」などと嘘の投資話を持ちかけ、50代の男女3人から、合わせて現金7950万円をだまし取った疑いが持たれています。
その手口は、こうです。
渡辺容疑者が架空のシナリオを考えて2人に指示。
井戸容疑者が勧誘役となり、水野容疑者が出資者らに運用報告のメールを送っていたといいます。
元大手証券会社の勤務経験がある井戸容疑者がその知識を生かし、出資者らに「運用責任者の渡辺(容疑者)は海外の大手証券会社出身の凄腕トレーダーです」と嘘の紹介をして、投資を募っていたとみられています。
100万円を出資したという被害者の男性は次のように話します。
100万円を出資した男性:
1カ月に1.3倍、いいときには1.4倍という案件がありますよと。試してみようかなと思ったのが始まりですかね。毎月、渡辺(容疑者)から今月の配当はこれだけありましたよと連絡があったんですよね、メールで。
渡辺容疑者の名前で男性に届いたメールには「運用実績を報告させていただきます。運用実績1.3倍」と記されていました。
100万円を出資すれば、自動的に1カ月で30万円増え、130万円になることになります。
渡辺容疑者らは、こうした嘘の運用実績メールを送り、出資者を安心させていたとみられています。
渡辺容疑者ら3人は、これまでに133人の被害者から現金や暗号資産など合わせて3億円相当を集めていたとみられています。
嘘の投資話でだまし取った約3億円。
その大半が渡辺容疑者に渡り、違法な海外のFX投資や競馬などの趣味に充てていたとみられています。
警視庁は、3人の認否を明らかにしていませんが全容解明を進める方針です。